日本やヨーロッパではもう5日に入ってしまったけれど、米西海岸の私は、まだ立派に4日の枠内に留まっている…。
親愛なるP.A.様、47回目のお誕生日を迎えられましたね。
おめでとうございます。
これからの1年が、あなたにとって実り多きものとなりますよう、陰ながらお祈りしております。
【警告!!!】
以下、のぼせ系ポエマー気質の人間があらゆる抑制をかなぐり捨てて爆走する!という、何ともお見苦しい内容の文章となっております。
そういうのは勘弁、という方、どうかスルーされますように。筆者からの切なるお願いです。無駄なお時間は使っていただきたくありません。
本日はご訪問ありがとうございました。
【追記 04/11/2016
犬の散歩中に突然気が付きました。
映画「あるピアニストの旅路」って、2009年公開、じゃないですか〜〜〜!!!
何考えていたんでしょ。時系列、メチャクチャでした。
飛んでったのは頭のネジ2、3本どころじゃなかったようです。時間認知能力も激しく損なわれていたようで...。以下、適宜訂正しておきました。】
3月3日のNYC・リンカーンセンターでの公演を最後に長期休暇に入られたP.A.様。
今、地球上のどちらにいらっしゃるのでしょうか。
きっと、がんじがらめのスケジュールから開放されて、心休まるひとときを過ごしておいでのことと思います。
もしかしたら、桜満開の日本で、大好きな十割蕎麦(おろしたての本わさび付き、蕎麦湯は絶対忘れずに。)や、日本でしか味わえない、極上の銀しゃりを楽しんでいらっしゃるかもしれませんね。
2016年の3月。
熱病に冒されたように狂おしい、でも、この上なく幸せな夢のような1ヶ月でありました。
もう、「鷹の爪団」の吉田くんの声真似で「ロマンチックが止まりもはーん!」と遠吠えするしかないような心境でしたもん。
「脳内マツケンサンバ」という別名も使いましたっけ。
3月1日、Facebook上で目にした、Humans of New York (HONY)の記事に添えられた一枚の写真。
あなたとは約6、7年ぶりの「再会」でした。
それ以来、頭のネジが少なくとも2、3本はぶっ飛んでしまったようです。
事の始まりは2006年、日本に住んでいた時のこと。
「アート・オブ・ピアノ」のDVDに、あなたはいらっしゃいました。
当時はセンター分けの王子様カットでしたね。
ワーナーミュージック・ジャパン (2006-01-18)
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過去の巨匠ピアニスト達について熱っぽく語るあなたのお姿に、タリラリラ〜ン♪と心が舞い躍ったこと、今でもよく覚えています。
それから数年。
あなたが列車でピアノと共にヨーロッパを旅するドキュメンタリー(ブルーノ・モンサンジョン監督。邦題・「あるピアニストの旅路」)を、日本語字幕付きで見る機会に偶然恵まれました。
活き活きとしゃべり、変顔作りながら「魔笛」のフレーズを朗々と歌い、演奏に全身全霊を傾けるあなた。
とにもかくにも、魅力的だったのです。
好印象を抱かずにはいられませんでした。
その後、私の方は、引っ越し先での新生活につきもののゴタゴタに対応せねばならず、全てが忘却の彼方へと押しやられてしまいました。
あれはまさに、「忙殺」という言葉を地で行く日々。心が亡きものとなって、あやうく殺されかけた...かもしれません。
去年ぐらいからようやく本来の自分らしさ(と書いて、「底無しアホらしさ」と読みます。)が戻ってきたように思います。
やっぱ、こうでなくっちゃ。生きてる、って感じを味わえるようでなくちゃね。
で。
3月1日の午前中、あなたに「再会」したことにより、高校2年生の夏にグリーン・ガートサイド(スクリッティ・ポリッティ)に出会った時と全く同じドラマが次々と繰り広げられていきました。
「寝ても覚めても」的な、ものすごいのぼせ症状。「暴走機関車」のように、止まらないんですよこれが。数十年前の夏と、そっくり同じなんですよね。
いや〜、理屈じゃ説明の付かない出来事って、こんな年になっても起こるんだ〜、って、我ながら感心しちゃいましたよ。
人生って、こういうハチャメチャな展開がある日突然やって来て、息もつかせぬほど面白くなることがあります。
だから、簡単にギブアップしちゃ損、ですよね。
うん。焦らない。くさらない。
それにしても、私にとって先月はすごい月となりました。
脳内で勝手に花火大会開催されるがままにしていたら(花火大会、っていうよりは、爆竹大会かな...。)、いつの間にか新たな活力が身体にも心にも大量にインストールされていた。
ふと気がつけば、内面から外側へと順に新装開店の準備が整っていて、自分@最新バージョンへの更新が見事に完了していた...。
嵐の3月、そんな感じで過ぎ去っていきました。
月が変わると同時に、ようやく落ち着きを取り戻しましたが。
やはり、その月の数字(3→4)が持つエネルギーや、惑星の運行や配置が何かしら影響を及ぼしているのでしょう。
P.A.様。
いつか、あなたの生演奏を聴ける日が来るでしょうか。
横浜に住んでいさえすれば、サントリーホールも、初台のオペラシティも、みなとみらいホールも、そして、田園都市線青葉台駅前のフィリアホールも、ぜ〜〜〜んぶ1時間以内に駆け付けられるのに、と、米西海岸の田舎都市に住む私は悔しくってなりません。
長期休暇後の公演予定にしても、今のところNYC、カーネギーホールでのコンサート以外には何も決まっていないご様子。
西海岸ツアー、どうなんでしょう。
...あまり期待はできなさそうですね。休業前のお話から推測するに、これからは徐々にコンサートの回数も減らす方向へと向かわれるのでしょうから。
だから、リサイタルに行けるその日が来るまで、あなたのCDを大切に聴いていきます。
あなたが追求する音楽を、真正面からきちんと受け止めるだけの耳を、感受性を、しっかりと育てていきたいので。
これまではあまり関心を持っていなかった、ベートーヴェン以降のロマン派音楽全般についても幅広く学んでいこうと思っています。
特に、シューマン。
あなたがイチオシしているポーランドの作曲家・シマノフスキも、どこかイカれてて、狂気の世界スレスレの怪しさ。ちょっと20世紀のロック的(プログレ系か?)ですよね。確かに、面白そうです。
ああ、学ぶことが山積みで、どうしよう。
でも、それってすごく幸せなことです。
だって、人生に退屈し、不平不満でぶーたれ顔なんてしている暇が無い、ってことですから。
元々はロック&ポップミュージックという「1曲、4分30秒」のお手軽世界の住人ですので、油断するとついつい「作業用BGMっぽく聞き流し〜♪」というだらしない聴き方をしがちなんですよね、私。
いえ、わかってはいるんですよ。
これ、あまり感心できない聴き方だってこと。
要するに、音楽=使い捨て消費材のようにしか捉えていない、20世紀後半ならではの省エネ流・いい加減派の聴き方なんですよね。
(※18世紀のヨーロッパ貴族だって、バッハが作って演奏した数々の舞曲をパーティーのBGMとして、また、ダンスミュージックとして、大量消費していたじゃないか、というツッコミは、とりあえず脇にのけときましょう。)
クラシック音楽の作り手や演奏者は、聴衆に対しても自分たちと同等の、もしくはそれに近いレベルでの関わり方を期待している。
それなのに、だらしない聴き方に慣れてしまったイマドキの聴き手の方は、全然そのレベルに応えられてない。
これって、問題だと思うのですよ。
そんな怠惰な聴き方をしているようでは、演奏者・聴き手の双方が満足する相互コミュニケーションなど、なかなか実現できませんよね。
特に、あなたが目指していらっしゃるような
【音と音との間、
そして音の背後に存在する「何か」】
を伝えられるような、高次のコミュニケーションの実現となると、かなりの困難が伴うはずです。
「耳さえこっち向けてくれりゃ、客は誰でも構わない。」
誠実な音楽家であればあるほど、そんな事は口が裂けても言えないよ~、なのではないでしょうか。
(それでもなお、聴く気の少ない客の関心をギュッとつかまえて、あわよくば感動レベルにまで引き上げてやろう、と願ってやまないのが、プロフェッショナルのプロフェッショナルたる所以(ゆえん)なのですがね。
過去のコンサートでの試みを見ても、「客は座って耳だけ向けてくれさえすればいい」という、前時代的なクラシックコンサートのあり方を変えたくって、あなたが試行錯誤している様子、よく伝わってきます。
(2011年、大震災から2ヶ月ちょっとしか経っていないのに、予定通り来日公演を行ってくださって、ありがとう。日本の音楽ファンも大変励まされたでしょう。)
クラシック音楽が「斜陽産業」と言われ始めてから、もう随分経ちます。
私の知っている日本人音楽家たちも、みなそれぞれに苦労していますよ。
リッチで優雅な生活、なんて、とてもとても。
(実家が余程お金持ちなら、話は別ですが...。)
「オペラの上演機会が圧倒的に少ないから、日本ではとても生活できない。」
「この子、音楽的に光るもの持ってるな、と期待できる生徒さんがいても、『4年生になったので中学受験塾に...』と、あっさり止めてしまう。残るのは、親だけが鼻息荒くしてコンクールを狙いたがる凡才ばかり。」
「留学から帰って、さあ、生徒さん募集しよう!と張り切っていたら、自分よりすごい経歴/出身大学の、ご近所ピアノ教師のチラシがしょっちゅうポスティングされてきて、大ショック。音楽で食うのは諦めた。」
「若い頃は留学、修行、そして演奏旅行の連続で、世界中を駆け回っていたから、国民年金なんて納めていなかった。幸い、今の夫と結婚できたからお金の心配は無くなったけど、そうでなければ今頃はどうなっていたか。」
皆さん、青春期の一番輝いている時期を音楽に捧げ、経済的には大して報われていないにも関わらず、今なお誠実に音楽に取り組んでいる人達ばかりです。
(上の話、全て実話です)
何とかしてあげたい、ですよね。
どうにかして、クラシック音楽を「人並みに食って行ける」産業にしてあげたい。
努力に見合うだけのリターンが得られる業界にしてあげたい。
私、ずっと前からそう思っていました。
確かに、クラシック音楽の世界だって、他のあらゆる業種と同じように、時代に合わせて変えて行かねばなりません。
でも、硬直化した市場の仕組みや、旧態依然とした業界の体質を批判するだけでは、何も解決しないのではないでしょうか。
客の方だって、変わっていく努力は必要でしょう。今以上に高い満足、そして今以上の感動を味わいたいのであれば。
そのためにも、聴き手の怠慢や不勉強ぶりを冷静に指摘し、親切に改善を促してくれるような人が出てきて欲しいですよね。
とにかく、これ以上、クラシック音楽の世界を衰退させてはいけませんよ。
人類の宝なんですから。
「良い演奏者」とは、日々努力し、精進し、進化しようとしている人々です。
だったら、私達だって同じように「良い聴き手」になることを目標に、少しずつ頑張れるはずです。
いえ、頑張らなきゃいけないんですよ。
だって、どんな一流の奏者だって、一流になろうとして努力する聴き手、つまり、コンサートに足を運んで、CDを買って、耳を肥やすために必要な手間暇を惜しまぬ聴衆の存在なしには、育ちようがないのですから。
どれほど素晴らしい音楽を作り出そうとも、その音楽の価値を瞬時に理解し、感動し、拍手喝采を演奏者に向けて送ってくれるような聴衆がいなければ、演奏者はただ、孤独と迷いの中に取り残されたままになってしまいます。
そんな演奏者を孤独から救い出してくれるのが、聴衆との会話(ダイアローグ)...つまり、双方向のコミュニケーション、ですよね?
そのやり取りがうまく行けば、更に作曲家まで巻き込んだ「霊的な交感状態(Communion)」の境地にまで到達することだって、決して不可能ではない、と...。
...それが、あなたがHumans of New York(HONY)とのインタビューで語っていたこと。少しずつですが、理解できるようになってきました。
演奏者と実のある会話(ダイアローグ)ができる、いい耳をした聴衆を育てていくという作業。
演奏者の育成と同じくらい、大事なことですよね。
一朝一夕にできることではありません。時間だけでなく、お金も、労力もかかります。
効率とコスト削減ばかりが重視される、【遊び】の無いカツカツな国に成り下がってしまった今の日本では、実現への道は相当厳しいかもしれません。
聴く側の人々が、違法ダウンロードや動画サイトの視聴オンリーで「無料だ」「得した」と喜んでいるばかりじゃ、明日の芸術家は育ちませんよね?
ひょっとしたら、活躍中の芸術家だって、食うに事欠いてバタバタと倒れてしまうかもしれないのが今のご時世。
だから、CD買って、切符買ってコンサート行って、ライブイベントに参加しなきゃ!って、思います。
自分が気に入った人達、できれば現役で活躍中の芸術家が見つかったら、その人達が金銭的にも報われるよう、次の作品に集中して取り組めるよう、お金という形で応援する。(もちろん、無理なくできる範囲内で。)
私たちの一人ひとりがスポンサーなんだ、って自覚を持たなきゃ。
そういう個人レベルでの芸術支援行為がごく当たり前のこととして受け入れられるような国になるためにも、日本人は大きく意識改革をしなけりゃいけないな、って思います。
金・金・金!で物事をはかるクセ、いい加減に見直さないと。
(でも、こういう市販用でないお宝映像は、積極的に堪能させていただきますよ!)
お父上の仕事の都合で何年間かフランスで暮らし、「フランスからの帰国子女」としてネイティブ並みの語学力を身に付けるというチャンスには恵まれたものの、少年時代の大半はポーランドやハンガリーで過ごされましたよね。
そう。言わずと知れた、旧・共産圏の国々です。
その間、クイーンも、ツェッペリンも、ヴァン・ヘイレンも、スティーヴィー・ワンダーも、マドンナも、マイケル・ジャクソンも、プリンスも、MTVも...と、とにかく当時西側世界の我々が夢中になっていた70−80年代の大衆音楽とは一切無縁でお育ちになったご様子。(あの頃の東欧は、ソ連がしっかりと睨みをきかせていましたからね。西側の大衆文化は政府が全てシャットアウト。)
ソ連出身のピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルが、あなたにとっての「神」「アイドル」でありました。リヒテルがワルシャワに演奏に来た時に譜めくりボーイを務めた、ともインタビューでおっしゃっていましたよね。
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(これ、以前番組で見た時にものすごく感動した話の書籍化です。日本在住の方なら、NHKオンデマンドで見られるかも。最後、泣けます...。)
もし、あなたがアメリカ、イギリス、カナダ...といった西側文化圏の国で育っていたら、一体どのような分野へと進まれたのでしょうか。
クラシック以外の音楽、という選択肢も考えられたかもしれないな、と、よく空想します。
超絶技巧で知られるロックギタリストになるとか、驚異的テクニックのジャズピアニストになるとか...。
私自身、80年代の英米大衆音楽にどっぷり浸かってきた世俗的人間です。
そうした時代を映し出す音楽から十代の自分を切り離すなんて、とてもできません。
切り離すつもりもありませんけど。自分の大切な一部分ですから。
でも、われわれがすっかり世俗的英米音楽に毒されていた1980年代という時代にも、ヨーロッパという小さな枠組みの中であるのにも関わらず、全く性質の異なる文化や政治体制の下に暮らしていた人達は大勢いました。
「ソ連&東欧系クラシック以外の現代音楽は、一切禁止!」という、一風変わった青春時代を過ごさざるを得なかった若者たちが、確かに存在していました。
P.A.様もかつてはそうした若者だった一人。
「ビートルズは知ってるよ。でも、それだけ。」という、インタビューの短い一言に、【文化鎖国】がもたらした影響の大きさを読み取ってしまうのは、私一人だけでしょうか。
あの、60年代後半生まれのわれわれにとって、ビートルズ、って...。
全然「同時代の音楽」じゃないですよ、それ。
共産圏 イコール とにかく怖いところ。お上に逆らったら静かに消されるか、もしくは収容所送り。
そのようなおどろおどろしいイメージを幼少期から抱いていた当時の我々にとって、東西世界の境界線がある日突然消えるなんて「絶対ありえない」はずでした。
でも、ベルリンの壁は一夜にして崩れ、東と西は再び自由に行き来できるようになった。ソ連という超大国があっという間に解体し、「ロシア」という昔ながらの名前が復活。
...しかも、EU統合を機に、あちら(東側)とこちら(西側)の文化圏はいつの間にかミックスされていて、境界線もほとんど消えつつある、という...。
全く、事実は小説より奇なりです。
(今じゃモスクワに回転寿司や丸亀製麺のお店があるんですからね〜。時代は変わりました!)
「一切は夢だったのかもしれない...。」、なんて、つぶやきたくもなるものです。
でも、ポーランドという旧共産圏国家で生まれ育ったあなたにとっては、夢物語でも何でもない、厳しい現実の連続だったのでしょう。
その後、世界中を縦横無尽に駆け回る、という運命に選ばれたあなたは、こうした20世紀後半から今に至る歴史の流れについて、一体どのように考えておいででしょうか。
一度尋ねてみたいところです。
下の動画のショパン。(仏語・英語によるご本人のコメント付きです。英語は後半に。)
永平寺(曹洞宗総本山・禅宗の寺。)でひたすら仏道修行に励む雲水さんのような、凛とした、ストイックで男っぽい感じのショパン。
ぐいぐいと惹きつけられます。
日本だと「お嬢ちゃんがドレス着てピアノ発表会で弾く」イメージが強く、どちらかと言えば「軟派」な、女性受けする作曲家として捉えられがちな、ショパン。
でも、こちらの演奏からは「故国ポーランドの行く末を真剣に憂う、熱烈な愛国者」の姿がくっきりと浮かび上がって来ますよね。
ポーランド出身でありながらショパンコンクールとは無縁のあなたではありますが、私、あなたの弾くショパン、とってもいいと思います。好きです。
クラオタ(クラシックおたく)さん達や、音大でキッチリと勉強してきた人達みたいに、専門用語を駆使した、頭良さそうなコメントなんぞは付けられないんですけどね...。
ただ、いいな、もっと聴きたいな、と思ったんです。
で、会議室か学生食堂から急遽借りてきたような椅子で弾く、という、「お約束」のスタイル。これがまた微笑ましくって。
グレン・グールドの、あの、足ちょん切ったシャコタン椅子ほどの衝撃は無いですけど、それにしても、あのぉ...(笑)。
スタインウェイの重厚なピアノと、どう頑張っても釣り合い取れてません...。
【大体、コンクールと名のつく物から途中で「いち抜けた」して、それがきっかけで名前が売れて演奏家としてのキャリアが始まるだなんて、あなたとイーヴォ・ポゴレリッチ(「ポゴ様」とピアノ業界に詳しい知人が呼ぶ。)のお二人くらいなもんです。
規格外もいいとこです。
せっかく奨学金もらって留学した南カリフォルニア大学も、余程肌に合わなかったのでしょうか、1年そこそこで切り上げ、当時まだ共産圏だったポーランドに帰っちゃいましたよね?
ま、アメリカの片隅に通算で15年以上暮らす者として、そのお気持ち、よーくわかります。
だって、レーガン政権下の、あの、ビッグでリッチでフェイマスになることが全てとされた1980年代アメリカ、それも西海岸はロサンゼルスですから!
無理して長居したら、逆に鬱になってしまいそうです。】
もっと優れたショパン弾きの巨匠は他にもいる、これ以上の名演奏は他にもある...。
言いたい人には言わしときましょう。放置でOK。
すべての人に気に入ってもらおう、なんて馬鹿げていますもん。
できっこありませんよ。
料理の話に置き換えてみれば、簡単にわかりますよね。
「ミシュランで三ツ星取った」とか、「『食べログ』で高得点をマークしている」
そんな類の、世間が決める評価なんて、はっきり言ってどうでもいいのです。
「とにかく私はこの人の作る料理が食べたいのっ!!!」
基準点は自分の中にある。そう決めたら、堂々と好きなものを宣言すればいいんです。
音楽だって、同じこと。
本当に自分が良いと思ったら、そう世界に向けて叫べばいいのです。
私はこの人の音楽が聴きたいんだ、って。
この人の奏でる音楽が、私を幸せな気持ちにしてくれるんだ、って。
そうした正直な感想を否定したり、軽んじたりする権利など、誰にもありません。
動画前半部分、フランス語で話されるそのお言葉がこれまた素敵で、聞き惚れます。(英語よりも仏語の方が断然お似合いですよ!)
サボりがちだったフランス語の学習ですが、今度こそ、今度こそ本気で取り組もう! と、決心が固まりました。
そのきっかけをくれたのは、あなたです。
今回は気合いが違います。
「この人がしゃべることを一字一句聞き取りたい」という(不純極まりない)動機から起こった向学心、ちょっとやそっとじゃへたりませんから。
(だって、上でリンク貼ったBlu-Rayディスク、字幕機能がちゃんと働かないんですもん...。うちのプレイヤーが悪いのか、はたまたディスクのバグなのか...。)
お母様がユダヤ系ハンガリー人ということで、ヨーロッパ中、いや、世界中を彷徨うように旅するご自分のことを「wondering jew(さまよえるユダヤ人)」の姿に重ねていらっしゃるP.A.様。
ユダヤ系欧州人としての過去世が多かった、と、幼少時から信じてやまない(←ええ、ほっといてください。キチガイ認定してくれて結構。)私にとっては、ここも心臓ど真ん中、ズギューン!なポイントでありました。
「あ、今、ピーター・フランクルさん(ハンガリー出身。ユダヤ系の数学者。)に似てた」なんて表情も時々されていますよね。
ごくたま〜に、「オワゥ〜、吉川クゥ〜〜〜ン!!!」な瞬間もあるんですけど。
(か、髪型のせいよ、髪型。)
(https://youtu.be/0uxbBij1FCQ の動画からワンカット拝借。ありがとうございます。)
青春はタマネギだ (ケイブンシャブックス)
...高校生の頃、⇈この本⇈ を発売日当日に買って読みました。
「青春はタマネギだ。むけばむくほど、涙が出てくる...」
一体、どう解釈すればいいんだ。このフレーズ...。
しかも、カトリック育ちの、ショーペンハウアー/ニーチェ/ヘッセ愛読者。
その上、禅仏教がお好き、と来ている。
何て趣味の良いお方なんでしょ。あと一歩よろめけば、C.G.ユングの世界に片足突っ込んでもおかしくないところまで行かれますね。確実に。
だったら、こういう本、お好きでしょうか?いいですよ、これ...。
自宅に「マイ畳」置いちゃうほどの日本通。
お茶党で、ご飯+味噌汁+漬物好き。
(蕎麦といい、米といい、その炭水化物へのこだわりから判断して、彼の血液型はA型でしょう。)
もう、言う事は何もありません。
何もかもが完璧過ぎるのですよ、あなたって方は。
「何でこんな邦題ついちゃったの?」の代表的作品・カルチャークラブの「君は完璧さ」(Do you really want to hurt me?)がよくお似合いです。(←もはや激しく意味不明)
これじゃぁ、目が離せなくなっても仕方ないじゃありませんか...。
P.A.様。
これからも心身ともにますます充実した日々を過ごされますように。
他の誰よりも、ご自身が満足できるような優れた作品を生み出されますように。そして、その作品が少しでも多くの人の魂に響きますように。
あなたのことを大切にしてくれる大好きな人々に囲まれながら、幸せを実感できる日々を送れますように。
アーティストの孤独ではなく、アーティストの至福を語るあなたの姿、いつか生の舞台で見られたらいいなあ、って、思います。
どうか天界の神々様・仏様たちにこの思いが届き、全て叶えていただけますように...。
またお元気な姿で私達の前に戻って来られる日を、心待ちにしています!
🌸🌸🌸Bon anniversaire, cher Piotr!
On vous adore et votre musique toujours.
Bonnes vacances, et à bientôt! 🌸🌸🌸
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