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2016/07/18

本日のお題:シーザーカット。(付記:実はロックなJ.S.バッハ。)

シーザーカット。


 男性の髪型、です。 


もちろん、古代・共和制ローマの軍人・政治家であり、「ガリア戦記」の作者としても知られるジュリアス・シーザー(ガイウス・ユリウス・カエサル)の名前にちなんだ名称です。



 これね。
「人間は自分がそうだったらいいな、と望むことを簡単に信じてしまう。 そして、自分が考えていることは、他人も同じように考えている、と思い込む。」 http://i.quoteaddicts.com/media/quotes/1/15579-julius-caesar-quotes.jpg

「シーザーカット」という名称を聞いただけで、頭にパッと画像が浮かぶ方。 おそらく美容業界の方か、ファッションにお詳しい方でしょうか。 もしくは、古代ローマ史や世界史をよくご存知の方、なのかもしれません。



 で、私は、と言いますと.. つい最近までそんな名称、知りませんでしたよ。
私の中では単に「短髪」。それで事足りてました。名前がちゃんと付いていたとは。



 シーザーはシーザーでも、サラダでしたら、たま〜にレストランに行った時には食べてるんですけど...。 (なぜ、ロメインレタスの上にパルメザンチーズとドレッシングとクルトンをかけたこのサラダに「シーザー」の名前が付いたのか、それはまた別の話。どうやら、メキシコ、その後アメリカでレストランを開いていたイタリア系移民のCaesarさんが考案したことから、その名前で呼ばれるようになったようです。 古代ローマの偉人・カエサル/シーザーとは関係無いんですって。)  
(アメリカの料理にありがちな、きっつい酸味が苦手な私も、シーフードレストラン・Red Lobsterのシーザーサラダは大好き。酸味がマイルドで、チーズやクルトンも、あくまでも脇役に徹するべく、控えめな味付けが施されているのみ。でも、その配合がとっても上手なんですよね。個々の役者が、それぞれの持ち場でいい仕事をしている。だから、何度食べても飽きない、おいしいサラダに仕上がっているわけです。 
日本のレッドロブスターでは、これと同じシーザーサラダ、出しているのかな?もう20年以上も行っていないな〜。)
https://www.tripadvisor.com/
あ、髪型の話でしたっけ。すみません。
はいはい。 シーザーカット、ですね。
今年始めのこと。 ハフィントン・ポスト日本語版でたまたま読んだ記事で、そのような名称で呼ばれる髪型がこの世に存在していたことを、初めて知りました。
【昔は「かっこいい!」と思ってた......。時代遅れになった男性ヘアスタイル17選】http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/25/17-mens-hairstyles-should-stay-dead_n_9075036.html  
原文はこちら。
【17 Men’s Hairstyles Of The Past That Should Just Stay Dead】http://www.huffingtonpost.com/entry/bad-mens-hairstyles_us_56a13ec1e4b076aadcc5b77b
12番目に出て来る、この、お医者さん時代のジョージ・クルーニーがしていた髪型、がそれです。

http://img.huffingtonpost.com/asset/scalefit_600_noupscale/56a148fa2a00002c000310c5.jpeg



The Men's Hair Forumという英語のサイトから、簡単な説明だけ引用しますね。

「シーザーカットとは? 
シーザーカットとは、前髪を下ろした形の、男性の短髪のひとつ。頭頂部の髪をフラットにして前方へと流すこのスタイルは2014・2015年に流行中の髪型のトレンドとは一線を画している。 シーザーカットの人気は、1990年代後半に特に高まった。ジョージ・クルーニーが大ヒットテレビドラマ「ER」でこのスタイルをして出演してから、一躍流行の髪型へと躍り出た。以来、シーザーカットは、またたく間に30歳〜45歳のアメリカ人男性を中心とした層の支持を集めることとなる。」

【ソース:http://www.menshairforum.com/talk/Thread-Caesar-Cut-Hairstyle-Guide-How-to-Style-Haircut-Products-Pictures-and-Tips
     
 映画「テルマエ・ロマエ」で阿部寛さんが演じていた古代ローマ人・ルシウスの髪型も、シーザーカットの系譜にあると見て差し支えないでしょう。少々伸びかけの感はありますがね。
何と言っても、物語の舞台が古代のローマですし。衣装も髪型とばっちり合ってます。

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まぁ、「シーザーカット」と言えば、私にとっては何と言ってもこちらのお方、なんですけど。 (1996年録音のCD。レーベル・レコード会社を変えての発売となったため、下のジャケ写は2002年撮影。)


バッハ:イギリス組曲 第6番 / ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ31番 他
リンク先のAmazon.co.jpページで、曲の冒頭部が試聴できます!

ジャケット裏面も、やっぱりシーザーカット。(当たり前だ)


...また脱線してしまいました。
髪型の話に戻りましょう。


これ、The Huffington Post紙の記事タイトルで、筆者のJames Cave氏が主張している通リ、



「そのまま過去と一緒に死んでてもらった方がいいヘアスタイル」
("hairstyles of the past that should stay dead")


と正式認定した方がいいですよ。
そして、できるだけ大きな声出して、世界中に拡散すべきだ、と思います。



だって、上の3人を見れば、あまりにも明らかじゃないですか。
シーザーカットは、「人」を選ぶヘアスタイルなんです。


美容院や床屋さんに行って、
「今日はどうしますか?」と聞かれ、
「シーザーカットにしてください」
といったやり取りを交わして良いのは、上に挙げたジョージ・クルーニー、阿部ちゃん、そしてP.A.様並みに


大きな、力のある瞳


が印象的で、


彫りの深い、濃い顔立ちをした、


誰もが認める


☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜美 男 子☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜


とカテゴライズされる人のみ。
それ以外の者には



原則としてシーザーカットは 禁止。 


ってことにしませんか。
それが公共の福祉にも寄与することになります。



うやむやにしておいては、絶対、真似する人が出てきます。
特に日本人の男性は要注意ですよ。
はっきり言って、「お猿さん」化する確率があまりにも高過ぎるんですよね。
東洋人の平板な顔立ちの上に、シーザーカットを乗っけてしまうと。


いわゆる、標準レベルの顔立ちの人が「テルマエ・ロマエの阿部寛さんみたいな髪型にしてください」とオーダーしてみたところで、行き着く先は、まぁ、こんな感じでしょう...。百聞は一見に如かず。
うっかり試してみんなの笑いものにならないでください。

 
https://youtu.be/KkrW-nRK20s

https://youtu.be/z2oSBDo6FMI


(あ!加卜ちゃんのシャツ、上の仲本工事シャツと一緒だ! ちなみに、うちには真ん中の写真で志村けんが着ていたのと同じ、黄色い横縞模様のシャツ+半ズボンが一体化した 「なりきり志村けん」衣装があります。 DVDーBOXの特典でおまけに付いてきたの。
一体どうすりゃいいんだ、これ...。宴会芸に使う予定も無いし...。)        

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(これの初回限定盤・特典付きのBOX。ビッ◯カメラ川崎店に残っていた、最後の1点を運良くディスカウント価格で手に入れました。 天井からなぜか唐突に落ちて来る...の場面でおなじみ、金色のやかんも付いてきましたよ。もちろんミニチュアだったけど。)

...と、安易に「シーザーカット」へ挑戦することへ警鐘を鳴らしといたところで、そろそろ音楽に関する戯言(と、P.A.様による、上のCDについての話)へ移るとしましょうか。 クラシックとロック、どちらの音楽にもある程度の理解と興味とをお持ちの音楽ファンじゃないと、多分、読んでいても何が何だかわからないかも...。       なので、時間を無駄に使いたくない方はどうぞスルーしてください。



2016/05/02

ファンとはこういうものなのです。

ファンという人種のあり方について、日本経済新聞に掲載されたとあるコラムがすっごく良いことを言っていたようだ。Twitterで拡散されて話題を呼んでいるらしい。
とても共感できるので、こちらにも貼り付けておこう。

(うちの大学の先生方は、卒論審査の際、このような一次資料に直接当たらない邪道な引用のことを「孫引き」と呼び、ルール違反だから今後は絶対にやらないように、と何度も強調なさいました。 
...仏文科の先生方、ごめんなさい。また、性懲りも無く悪い癖を繰り返しております...。)

憧れのあの方が


バッハ:イギリス組曲集~第1,3,5番



「ただ、元気でいてくれるだけでいい。
本人が好きなことを続けて、
幸せだと感じていてくれれば、
それだけでいい。」

という境地。遅ればせながら、最近ようやくそこまで辿り着けたように思う。



とはいえ、ここに至るまでの道は決して平坦・平穏とは言えないものであった。
昔は、「お願い!!! 私の方にだけ振り向いて!!!(←ばーか。)」という、一方的な思い入れ過剰で、妄想が暴走してばかりいたからなあ。
(幸か不幸か、どちらかと言えば小心者、しかも財力にもあまり恵まれていなかったため、「追っかけ」「ストーカーもどき」といった大胆かつ迷惑な行動に出ることは一切無かった。というか、そのような「あの方」に嫌われるような真似、絶対にできなかった。)


根っからの「信奉者/崇拝者体質」であり、狂気すれすれ(と、人は言う。)の激烈ファン道を若い時にとことん経験し尽くして「もう、いいや。」という所まで行ったからこそ、今は静かな確信を持って、穏やかな口調でこう言えるようになった。


「この人はみんなの、そして、全世界の宝。
だから、みんなで末永く支え、大切にしていかなくては。」


「私が...」「私を...」といった具合に、「私」で始まる文で「憧れのあの人」を語ることしかできなかった昔。
でも、近頃は「私たちみんな」という、一人称複数形の視点から語ることがむしろ当たり前、と思えるようになってきた。
少しは成長したのだろう。たまには自分に「グッジョブ!」と言ってやるかな。
(じゃ、ご褒美にCDをもう1枚...って、ほらー、また調子に乗り過ぎだぁ~。)

ピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホール




以下、G+に投稿した元記事(http://grapee.jp/173252)へのコメント部分。


異議なーし。
ファンとはまさしくこういうものですよ。
素晴らしい文章です。

私達は憧れのあの人(人々)の、「昨日よりも今日、今日よりも明日」と、誰も見ていないところで日夜努力し続けている姿を知っています。
(ね、P.A.様。J.S. BachのWell-tempered Clavier...Book IIだけでも大歓迎です...のCD録音、いつか実現させてください。首を長くして待っていますので。)

残念ながら、そうした絶え間のない努力が必ず100%報われ、良い実を結ぶとは限りません。その人自身がどれほど強くいい結果を出そうと思っても、一人の頑張りだけじゃどうにもできない場合だってありますから。いわゆる不可抗力、というやつです。

そんな時でも、どうにかしてあの方(達)だけには天界から「よく頑張ったね」というご褒美がダイレクト便でもって届いてくれればいいなあ、と、願わずにはいられない。
それがファン心理というものです。

金銭や名声という形でのご褒美も悪くはないですが、ファンとしてはむしろ私達の大切なあの方(達)が

「今まで頑張ってきて良かった。生きてて良かった。」 
と心から思えるような
    幸 せ な 時 間
  
を少しでも多く、少しでも濃密に体験する、という形でのご褒美を希望します。
お金に換算できない努力には、
お金で買えない喜びという報酬が
最もふさわしいと思いますので。







日本経済新聞、2016年4月28日付夕刊からの引用だそうです。
(上二点の画像、 http://korekichi2ch.com/archives/5931749.html から拝借しました。)


P.A.様。
あなたの演奏する、理知的で美しい音のバッハが大好きです。
...なんだか小学生が書く作文みたいな言い方で、ちょっと恥ずかしいんですが。
でも、今はそれだけ言うのが精一杯です。
音楽から受けた感動を美辞麗句で飾り立てて、書き手の自分を少しでも良きもの・高きものとして演出するなんてこと、やりたくないんですよね。虚しくなるだけですから。

これからも、あなたの好きな素晴らしい音楽をたくさん聴かせてください。ずっと応援し続けます。



(残念ながらアップロード側の設定により、こちらのYouTube動画は外部ブログへの貼り付けはダメみたい。なので、こっちもG+の投稿で。)




2016/03/14

こんなソフトクリームは嫌だ

ここのところですね、ピョー様...おっと失礼、ピョートル・アンデルシェフスキ(ポーランド+ハンガリー系のピアニスト。過去記事のこちらをまずご参照ください。
の動画をヘビーローテーションでYouTubeで見ているのですが、



(理由?あのですね、少しは察してくださいよ。暴走機関車なんですってば、暴走機関車。クレイジー・トレイン。オジー・オズボーン。←知らない方、すみません。)


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(すごい!!! 飛行機事故で若くして不慮の死を遂げたランディー・ローズですよ。 彼のギターはさすがと言うしかないですが、ルディ・サーゾのベースも抜群にカッコいいっ!バックに映った黒地に白水玉のフライングV、昔、よく雑誌広告で見たなあ。
...えっ!? ルディ・サーゾって、アニメタルUSAの一員として「マジンガー・メドレー」とか「ガッチャマン」とか演ってるの!? ひょえー。)




ひとつ困ったことがあります。
皆さんも、YouTubeで動画を見ようとすると、何遍かに一回は<広告>と称するビデオが勝手に上映されるのは、ご存知ですよね?
うちはアメリカなので、当然アメリカの広告がほとんどなのですが(たま〜〜〜〜に日本語のCMが流れてびっくりすることがある)、



最近、どうもそのCMの傾向がヘンなのです。




例えば、
トイレで大をした時に、一瞬でニオイを消しちゃう魔法のスプレー、「プープリ」のCM。
ちなみに、アメリカの口語でpooとは「ウ◯チ」(名詞)、もしくは「ウ◯チする」(動詞)。特に子供相手の会話でよく使われます。



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(た、高い!と一瞬ビビったのですが、よく読んだら12本セットのお値段ですってよ。ホッ。)





説明は不要でしょう。悩ましいウ◯チのニオイをテーマにした陽気なミュージカル、お楽しみください。
ヨガのクラスやセクスィーダンスの場面でお尻のニオイが気になって辛い、なんてこと、年にたかが数回あるか無いかだと思うんだけど。(絶対無い、とは言うつもりありませんが。)
...それでも強引にこじつけて、商品買わせる理由にしちゃうのね。。



"Skip Ad"のボタンをクリックしない限り、このビデオ、いい気になってまるまる3分流れ続けるんですよね。



あまりのバカバカしさに感服しつつ、1度だけ最後まで見てしまった時がありました。画面下部に歌詞字幕までご丁寧についているもんで、ついつい追っかけてしまい...。




すると!


次回から、なぜか毎回決まってこの手のCMが流れるように。
どうやらこちらの好みをYouTube側に学習されてしまった模様です。
で、しょっちゅうお目にかかるのが、下のCM動画。



タイトルは、「このユニコーンのおかげで、ウ◯チの仕方が変わりました〜スクワッティ・ポッティ」。



potty=小児語で「おトイレ」「おまる」、squat=「ヒンズースクワット」等の語でご存知の方も多いでしょうが、「しゃがむ」という、これまた動詞です。その二つの合成語を商品名にしたんですね。
まずは、ご覧になってください。
とにかく、見ていただければ全てわかります。言葉は要りません。




ユニコーンが謎のしゃがみ姿勢でいると、そのお尻の下にコーンカップが流れてきて...




お、おぉ!出てくる出てくる、虹色のとぐろ!
しかも、形が均一に整っているとは!




え"っ!? マジで食べるんかいな!? いいのか、王子!腹壊すよ!


それにしても胡散臭い顔してますね、この「王子」。高貴さのカケラすらも感じられない庶民顔(笑)。




ぎゃーっ!いたいけな子供達にまでそんなものを!!! 
(しかも、お口拭き用の紙として、ナプキンじゃなくてトイレットペーパー渡してる。)



上の写真でユニコーン君の足元に置かれた白い踏み台。
それが今回ご紹介する商品の「スクワッティ・ポッティ」です。


【追記:日本でも出ていたんですね。しかも結構なレビューの数...。びっくり。】





前回紹介したバンドのスクリッティ・ポリッティScritti Politti と響きがよく似ている辺り、長年のファンとしては何とも複雑な気持ちになります...。】



早い話、洋式便器にこの踏み台を継ぎ足すと、ウ◯チの時の体勢を和式便器使用時のそれに限りなく近づけることができる、という画期的な発明らしいです。




残便感ゼロ!




トイレ滞在時間も大幅に短縮!


便秘に悩む王様にもふさわしい足乗せ台、スクワッティ・ポッティ!



べ、便秘王...。
(a constipated king)




...いえね、別にいいんですよ。
こういうバカバカしい、いかにも小学生が喜びそうな下半身ネタのCM、結構好きですから。
ただ、少しは登場させるタイミングを考慮していただけないかなー、と思いましてね。YouTubeさん。



せっかく「今日は『イギリス組曲』聴こう♪」(←近日中にCD届く予定)




バッハ:イギリス組曲集~第1,3,5番




「インタビュー見よう♪」


 
(どうして畳が壁に貼り付いているのでしょうか。どなたか、説明お願いします。)



...と、わくわくしながらYouTube動画をクリックしたのに、決まって飛び込んでくる光景は、ユニコーン君の、目にも鮮やかなウ◯チソフトクリームの製造風景。



昨日も、今日も。

多分、明日も。

明後日も。



私、何かいけないことをしたのでしょうか。
ヘコみます。


(だったら、ウ◯チ関連商品の宣伝動画、出てくる度に消さないで必ず最後まで見切ってしまう、というヘンな習性を止めたらどうなんだっ!!! )←天の声。

2016/03/04

【続報】ま・さ・かの有名ピアニスト...いきなり大炎上

下の写真だと、どことな〜く俳優の小倉一郎さんを彷彿とさせるピョートル・アンデルシェフスキ。(Piotr Anderszewski:ポーランド+ハンガリー系のピアニスト)



バッハ:イギリス組曲集~第1,3,5番
アンデルジェフスキー(ピョートル)
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今日は3月3日、ひな祭りの日でした。
前回取り上げたインタビューで彼自身が語っていたように、長期休暇に入る前の最後のコンサート@NY・リンカーンセンターが予定されている日だったんですね。



Twitterで、会場に行った人の感想をいくつか拾った限りでは、素晴らしい公演だった模様。
アンコールもたっぷり25分、と、大盤振る舞いだったようです。
正月休みの前の歳末売り尽くしセールのような...
なんて書き方したら、熱心なファンの人に怒られちゃうかな。






ああ、良かった〜。

3月4日付ニューヨークタイムズ紙のレビューでも、大変好意的な書き方をされていました。

芸術の神様は、やはり彼をお見捨てにはならなかった!
ありがたや、ありがたや。



実はですね、前回の写真&インタビューに続き、FacebookのHumans of New York上にはもう一枚、写真が掲載されたんですよ。その、二番目の写真(下の画像をご参照ください)に添えられた発言の中で、彼、"autistic"(自閉的な、自閉症の)という言葉を使ったんですね。
それをネガティブな意味合いでとらえ、「自閉症を持つ子供や大人に対して、侮辱的な表現だ。見逃すわけにはいかない。」と憤慨する人が次々と出てきてしまいました。
で、Facebookのコメント欄はまたたく間に大炎上。

“Pleasing people is a huge drive. Any artist who tells you otherwise is either selfish or autistic. Art is a...
Posted by Humans of New York on 2016年3月1日

「人を喜ばせたい、という気持ちはものすごく大きな原動力となる。『いや、違う』と言う芸術家がいれば、その人は自己中心的か、それかもしくは自閉的(autistic)な芸術家のどちらかだろうね。  


芸術はコミュニケーションなんだ。お客さんに聴きに来てほしいという強い願いと、芸術家としての誠実さ。 この二つは十分に両立し得るよ。僕はそう思う。


人前で演奏するというのは、ひとつの奇跡だよ。 演奏する側は、目の前にいる聴衆がどんな人々かなんて、全くわからない  それでもやはり、僕ら芸術家と、聴衆と、200年も前に曲を書いた作曲家との三者の間には、霊的な交感(communion)が生じるんだ。

Copyright: mab0440 / 123RF Stock Photo


音なんてのは、ぶっちゃけ、どうでもいい。音それ自体が重要、というわけではないから。唯一、音だけが作曲家にコミュニケーションの手段として与えられていた。ただ、それだけのこと。


むしろ大切なのは、音と音との間。 
そして音の背後に存在する「何か」だよ。

僕の仕事は、ピアニストとしてそうした部分を解釈すること。なぜ、この作曲家はこの音をこの場所に置いたんだろう?それが知りたかったら、音が出る直前の「一瞬」を理解しなければならない。もし、うまく行けば...つまり、作曲家が生きていた200年前の時代にさかのぼり、その人間性とうまくつながることができれば、一人で演奏しているときですら、聴衆の前で演奏する時と同じように、霊的な交感状態を味わうことができるんだ。」
(翻訳・筆者) 

いかがです?
才気あふれる彼らしく、普段使いの語彙だけ使って、「芸術=コミュニケーション」との自説を見事に展開している、って思えませんか。
何百年もの時間の経過や、観客席と舞台という空間的距離によって隔てられているにもかかわらず、みんなのたましいが一つに合わさる、という【奇跡】は起こる。それこそが音楽の力なんだ...と。

(あ、あかん。もう、完全に惚れてもうた...。ひょえ〜。)


筆者には若い頃、自分の不注意で大失敗を招いてしまい、ひどく落ち込んでいた一時期があります。
その時、闇の中から私をすくい上げてくれたのは、バロック音楽、特にJ.S. バッハの音楽(と、坂口安吾、宮沢賢治の作品群)でした。
いわゆる「洋楽」、すなわち英米のロック&ポップミュージックばかり聴き、「クラシックなんて、フン。」とまるで相手にしていなかった私。
あの頃初めて真剣に聴き込んだバッハの音楽は、そんな私を変えました。
「希望はある。だから、もう一度立ち上がれ。歩き出せ。」と、偉大なるバッハ父さんに背中を押してもらったのです。
あの時受けた感動、今でも忘れられません。出会えたことに感謝しています。



そうした体験をした者のひとりとして、上のアンデルシェフスキの見解には心から共感できるんですよ。
「芸術は時空を超えた霊的レベルでの交感体験」であり、「ひとつの奇跡」である。
全く、その通りだと思います。





(「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声/Wachet auf, ruft uns die Stimme」BWV140。アーノンクール指揮の古楽器使用バージョンが好きです。それにしても、仏像尽くしの動画、最高ですね。バッハなのに。最後には鎌倉の大仏様も!)


残念なことに、最初の方に出てきた"autistic"(自閉的)という言葉で気分を害した人々、相当数いたようです。怒りに駆られてなのか、はたまた炎上騒ぎに便乗してなのか、よくわかりませんが、罵倒する言葉だけ残し、「書き逃げ」する、といった品の無い投稿者も多数現れました。
こういうSNS(ソーシャルネットワークサービス)で繰り広げられる集団リンチ風景って、不愉快です。怒りを通り越して、むなしささえ覚えます。



ネット上での酷いバッシングを延々と見せつけられたこともあって、ここ数日間、私はピョートル君(同年代だから「君」付けでいいや。)のことが案じられてなりませんでした。
大切な節目となる3日のコンサートなのに、精神的に不安定になったらどうするんだろう。道行く人々や、心無い聴衆から無神経な言葉なんてかけられたら、どうするんだろう...って。
列車生活のあのドキュメンタリー映画(前回記事をご参照ください)を見て以来、ずっと好印象を抱いていた音楽家だったので、「どうかこの難局を無事に切り抜けられますように...。」と祈らずにはいられなかったのです。



HONY(ヒューマンズ・オブ・ニューヨーク)の取材に快く応じ、写真・インタビューの掲載にOKしただけなのに、思わぬストレスを背負い込んでしまったとあっては、こんな悲しいことはありません。
だから、静かに神様仏様観音様に祈り続けました。彼が音楽に、コンサートに集中できるよう、公演がうまく行くよう、助けてあげてください、力をお貸しください...って。
(たとえそれが大海の一滴ほどの力にしかならないとしても...。)



まぁ、既に書きましたように、全ては杞憂だったようですね。一安心しました。
これでひとまず今季のソロ・コンサート日程は全て終了ですね。
本当に、本当に、お疲れさま。
休暇、ゆっくりと楽しんできてください。
大好きな日本食、ぜひぜひ食べに行ってください。



以下、私がこの件について走り書きした、ひとり言ノートからの抜粋です。(ま、多少は手直しもしましたけどね。)「クソ長い〜」なんて文句言う人、どうぞ他所へいらしてください。ひ・と・り・ご・と、ってちゃんと言いましたからっ。(キッパリ!)
お時間にゆとりのある、ボランティア精神にあふれたお方だけ、お立ち寄りください。