マイク・マクマナス
ヴォイス (1999-10-01)
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感想。
明るく、夢と希望を胸に、上向いて歩こうという姿勢、
これは、誰であっても、いついかなる時でも、たいせつにしたいもの。
(遅ればせながらではありますが、ラジオというメディアを深く愛し、ラジオの将来を最後まで案じていて下さった永六輔さん。素晴らしい歌の数々をありがとうございました。どうぞ安らかにお休みください...。)
同様に、「ワクワクする」ようなネタをできるだけ多く自分の中&周りにストックしとく、ってことも、心とからだの健康づくりのためにはやはりたいせつにしていきたいもの。
ケガや病気の時に役立つ絆創膏や簡単な塗り薬みたいなもの、と考えていい。
使わないよりは使った方がその後の被害が拡大しないで済む。
この、「ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。」という本。
好き嫌いははっきりと分かれるだろう。
人の顔色ばっかり見てはやりたいこと諦めているような、何でも杓子定規に上から言われたことに従うような、クソ真面目な日本人体質の人には、なかなか受け入れられない内容かもしれない。
でも、そういう人にこそ、凝り固まった人生観に亀裂を入れてくれるような、いい刺激となるんじゃないかな。
私の場合、「目標はあえて立てない、目指す方向だけをきめておく。」という著者の提言はまさに「今、聞いといて良かったアドバイス」であった。
目標を高く掲げすぎるあまり、情けない現状を見ては勝手に落ち込み、せっかく45%ぐらいにまで高まっていたやる気レベルを一気に0%にまで急落させるという、困った癖のある自分にとって、これは実にありがたいヒントだ。
目標を達成し損なった時に味わう敗北感や、「まだ...できてない」という罪悪感を最小限に抑えることで、心を前向きで伸びやかな状態に保っておける、というわけ。
で、小さな一歩、また次の一歩...といった具合に、少しずつ前へ、上へ、と進む...と。
©123rf.com(Rahmat Nugroho) |
でもさ...
認知症で実子の名前も忘れてしまったような老親と向き合いながらの、エンドレスな介護生活。
健康そのものだった自分を襲った、不治の病との闘い。
生きているのもいやになる程の、むごい裏切りや、失恋体験。
親に捨てられ、凄惨な幼少期を送ったがゆえの極度の人間不信。
幸せな家庭に憧れて結婚したのに、毎日が配偶者からの暴力の連続。
...そういった苦しみ中の苦しみ、抜け出したいけどどうにも抜け出せないトンネルの中に囚われているような人がこの「ソース」を読んだとしても、あまり慰められるところは無いな、って思った。
ところどころでいいこと言ってはいるんだけどね。
軽い、のである。
この著者の考える、【世界】【人生】が。
あまりにも軽すぎる。
人生の【陰】【闇】【不幸】への理解や、そうした負の要素を抱えざるを得ない人々に今ひとつ共感できないでいる。
読み進めるうちに、そんな著者と自分の間に少しずつ距離感を感じてしまい、飛ばし読みしていったら、あ〜らびっくり、最後のページに「更に学びを深めたい人たちのために、別料金で『セルフ・スタディ・キット』が!」というお知らせが...。
それに、ワークショップで講師養成もやってるんですって?
へぇ〜。
(ハハハ!日本に上陸したと同時に、いわゆる「資格商法」って奴に化けちゃったのねー。
本国アメリカではもはや絶版・品切れ扱いの超マイナーな本なのに。Amazon.comを検索しても、日本語Kindle版しか浮かび上がって来ない、というこの怪現象。読者のみなさんだったらどう説明します?)
マイク・マクマナス
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マイク・マクマナス
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作者のマイク・マクマナス氏はきっと実生活でも明るく、前向きで、素敵なおじさまだった(1999年没)のだろう。
それについてはいささかも疑うつもりはない。
若い頃からいろいろな社会慈善活動に関わり、「ソース」執筆前の一時期にはワシントン州上院議員も務めていたそうだ。
世のため人のために最後まで力を惜しまなかった彼の生き方には、素直に敬意を表したい。
ただ、この方、ご自身の私生活ではそれほど泥臭い苦労話とは縁が無かったのでは、って気がしてならない。(本当のところは知らないけどね。)
青年期特有のポジティブメンタリティと高い理想を持ち続けたまま、人生のフィニッシュラインまで無事辿り着けてしまった人、なんじゃないかな。
文章の随所からにじむ「おめでたき人」という印象、それほどにまで強かった。
爽やかで、ハッピーエンドで終わるエピソードに彩られている、この「ソース」。
読後感は決して悪くない。
あまりひねくれた読み方さえしなければ、だけど...。
悪くない、とはいうものの、本から離れ、一息つき、普段の自分へ戻ってみると、
「...さて、実際に役立つ知識は一体何割ぐらいあっただろう?」
と、冷ややかで、意地悪なもう一人のダークな自分がすかさずツッコミ入れてくる。
う〜ん。
何割かなぁ。せいぜい2〜3割、がいいとこ、じゃない?
既に実践していることもたくさん書かれていたし、新しく学んだことはさほど多くはなかった。
前述した「目標はあえて立てない」の部分ぐらい。
(私なら、「バカでかすぎる目標は、あえて立てない。」程度に見出しを修整しておくんだけどな。)
(うんうん、それでいいのだ、それで。
意地悪読者、冷ややか読者の視点をキープするのは、大いに結構。書き手や売り手の策略に簡単に乗らないためにも。
何でもかんでも著者の言うこと鵜呑みにしちゃいけません。活字になっているからって、出版流通に乗って商品化されているからといって、別に書いたその人が特別「エラい」わけじゃないんです。 かつての自分はまさにそうした「まんまとカモになってしまう」タイプの、出版社にとっては実にありがたいタイプの読者でした。
市場に出回っている本も、個人のブログも、書いたら書きっぱなし、というのが基本、でしょう?出したら出しっぱなし。売ったら売りっぱなし。儲かりゃそれでいい、吐き出したいこと吐き出せたら、それでいい、って書き手の方が数の上ではずっと多いと思うのです。
かく言う自分は後者のタイプ。「王様の耳はロバの耳...」と、井戸の底に向かって囁くしかできなかった床屋さんと同じで、現実世界で付き合いのある人相手には全然通じないような、、または口にしたら白い目で見られても仕方無いような、ニッチでけったいであやすぃ~話題について、このページ上でさんざん吐き出してはスッキリしているだけ。
そもそも、アクセス数UPとか、アフィリエイとで小遣い稼ぎとか、そういう目的でブログやるのなら、こんな誰も知らないような本や外国人著者やピアニストの話ばかりだらだらと書きませんってば(笑)。
大半の著者にとっては、わざわざ時間かけて本を読んでくれた人の人生がどうなろうと、ぶっちゃけどうでもよいのです。 本を読んだ人がその後天に上ろうが地獄へ落ちようが、そんなの知ったこっちゃない。ごく稀に、儲けなんて一切度外視して、読者の幸せだけを祈ってくれるような、良心的で心のきれいな著者もいるにはいるのでしょうけど... ま、今時の出版業界では絶滅危惧種でしょうねぇ。
以前からずっと書き続けていることですが、こうした自己啓発本の取り扱いって、本当に難しいです。 客観的なデータや調査結果の正確さが命!の学術書・研究書や、科学・技術分野の専門書などとは異なり、「著者=それなりの能力・知識を備えたエキスパート(専門家)」...とは限りませんから。
誰でも新規参入できて、「こんにちは。この本を出しましたので、今日から『専門家』と名乗らせていただきます。」と自己申告できちゃうような、つまりは「何でもあり❤」で、
い い か げ ん
(= 業界内の自主規制も、第三者による規制も、一切無し。)
な分野。
それが、いわゆる「自己啓発」「self-help」「スピリチュアル/精神世界系」と呼ばれるジャンルなのです。
ダイエットや、エステサロンや、民間療法と変わりません。出した者勝ち、名乗った者勝ち、です。
「著者」「作者」だから、と、書き手側をやたらと持ち上げたがるタイプの読者は、特に気をつけましょう。
というのも、こうした方々って、どんなジャンルの本を読んでも「私は無知だから...」「相手は専門家だから...」と、つい、不必要にへりくだってしまい、自分の意見を「つまらないもの」として粗末に扱う傾向があると思うんですよ。
何でもかんでもへりくだってしまおう、という癖、できれば若いうちに直しておいたほうがいいです。さもないと、一度しみついた奴隷根性はなかなか取れませんよ。外国に行った時や、押しの強い相手との交渉場面で一苦労することになります。 「すいません、すいません。」(英語だと"Sorry"の連発。)と卑屈になってばかりいて、かえって相手から不審がられる、というケースも実際にありますので。 ←経験者は語る...。)
マイク・マクマナスさんの「理想化肌で、幸せ者っぽく見える、多芸多才な人」というキャラクター、どうもエニアグラムのタイプ7っぽいな。
「ワクワク」至上主義ってあたりも、かな〜りタイプ7臭が濃厚です。
英語でいう"excited"(興奮した)状態を追いかけてやまない人達、ですからねぇ。
そのような彼の思想に共鳴できる、共鳴したい、一緒にワクワク追求したい、って方はどうぞご自由に。
「紙の本を取り寄せて所持しておきたい」とまでは思わないものの、"feel good book"のひとつとして、長距離フライトのお供のKindleに電子版を入れておけるのであれば、まぁ、持っていても悪くないかな、って感じました。
いい夢見て、それでワクワク感盛り上げていくだけならば、お金も、他人への迷惑へもかからない。それで気分が上向きになれるのなら、やらなきゃ損!というもの。
そこんところは、マイクさんの見解に賛成します。
ただ、それを魔法の杖/打ち出の小槌みたいに振りかざすだけで、暗闇から逃げずにしっかりと向き合う、というプロセスを詳述しないのって、生き方指南書としてはどうだろう...。
ちょっと物足りないんじゃないかな〜、と思います。
(ひょっとして、別売り「スタディ・キット」買えばちゃんと載っています...って?んなアホな!みんなそこまで暇も無ければ金も無い!!!)
そこを行くと、人間ならば誰もが持つ、【闇の部分=シャドウ shadow】問題から逃げも隠れもせず、果敢に取り組んでいたこの方にはもう少し長く生きていてもらいたかったなぁ...。
デビー フォード
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Why Good People Do Bad Things: How to Stop Being Your Own Worst Enemy
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HarperCollins e-books (2009-03-17)
(デビー・フォードさん。1955ー2013。その早すぎる死、つくづく惜しまれます。
しばらく前から下の本・"Why Good People..."のオーディオブック版を聞いているのですが、「これでもかっ、これでもかっ!」と、耳を塞ぎたくなってしまう程に醜い人間たちの生々しい姿...しかも、そこに自分の姿と重なる部分を発見してしまったりして、聞いていて結構しんどい...が、延々と紹介されていきます。超・超・ヘヴィーです。
醜い自分と真っ向から向き合い、落ちるところまで落ち、それこそ全身血まみれになりながらのたうち回った後に力強く立ち上がり、人々に勇気と希望を与えるという役割を見事に果たした後にこの世を去っていったデビー・フォード。彼女にしか書けない、貴重な本を残していってくれました。)
まぁいいや。
いろいろな思想、いろいろな切り口、いろいろなビジネスのやり方があって構わないのだから。(←と、自分に言い聞かせてみたりする。)
目下の私の(いろいろあるうちの、一つの)夢は、南スペインのアルハンブラ宮殿に行って、この目にイスラム細密画+室内装飾の素晴らしさをしっかりと焼き付けてくること。
今から10年後ぐらいに実現させたい。(どうかその時南ヨーロッパ情勢が物騒でありませんように...。)
それまでに何とか仕事見つけて、お金貯めて、ちょっとはいい宿に泊まって、本場のフラメンコショー楽しんで、ついでに隣国・ポルトガルの首都・リスボン(P.A.様がお住まいの街...♪)も一緒に行けるぐらいの余裕ある旅ができればいいなあ。
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講談社
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↑大画面テレビでこのDVDを見ていると、「ひょっとしたら旅行よりもじっくりと観察できるかも...」と思えたりもして。(^_^;) い、いや、やはり現地に行かないとわからないこともあるはず。色とか匂い。空気の乾き具合。現地の人のスペイン語のアクセント。そして、何と言ってもその土地でしか味わえない、名物料理!
あ〜、とびっきりおいしいパエリアが食べたくなってきたー。
今日は動画でガマンだ!
今日は動画でガマンだ!
実は私、数年来のパパさん料理ファン。どの動画もおいしそうだし、実際にいくつかレシピも試しました。すべてハズレ無しの「旨し!!!」でしたよ。
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