2016/08/30

ドン・リソさんの夢〜「置かれた場所で咲きます」宣言

今朝のこと。


エニアグラム(Enneagram)という性格心理学の師匠であり、私の人生に多大なる影響を与えてくれた恩人的存在である、ドン・リソ(Don Riso/ Don Richard Risoとも表記)さんの夢を見た。





夢に出てきた、というのとはちょっと違うんだけれども。


「うわっ、リソさんの本(日本語版)が、こんな辺鄙な田舎のリゾート地に置いてあるなんて! ひゅーひゅー! 
どうしようかな〜。 実家に既に一冊あるんだけど。ええい、ここで出会ったのも何かの縁だ。買っちゃえ買っちゃえ〜〜〜!」

と、大興奮した夢を見た、というのがホントのところ。


その田舎(多分、東伊豆の国道135号線沿いという設定。伊豆高原あたりかな。)の、カフェが併設されたログハウス風書店で見つけ、手にとった一冊。
絶版になって久しいこちらの本とそっくりな、新刊本だった。
目が覚めた後も、緑色の帯が付いた姿で棚に並んでいたその本の映像がはっきりと記憶に残っていた。


性格のタイプ―自己発見のためのエニアグラム
ドン・リチャード リソ
春秋社
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学生時代に出会い、バイブルのように何度も読み返した、忘れられない本である。


あ。


待てよ。
今日って、8月30日...。



リソさんの命日だったのだ。



その日付が持つ意味の深さに打たれ、しばしの間動けなかった。
突然の訃報をFacebook上で目にして茫然自失となった、あの日。
早4年が経過したなんて。


ドン・リソさんについては、楽天ブログの方でも既に書いたことがあるので、今は繰り返さない。

ありがとう、ドン・リソさん。あなたのような【師】に会えて幸せでした。
http://plaza.rakuten.co.jp/backtotheessence/diary/201209100000/


直接登場しておしゃべりしたり、行動する姿を見せたりすることなく、そっとご著書の存在だけを私に見せるという、控えめな挨拶にとどめてくれたところが実にリソさんらしいな、と思った。
奥ゆかしい、という日本的な情緒を正しく理解できる感受性を持つ、稀有なアメリカ人であった。(実際、大の親日家であったんだけど。)



少しずつ前へ動けよ、エニアグラムから学んだことを活かせるようにがんばれよ...。
背中をポン、と優しく押してもらったような気がした。



私が知るリソさんは、繊細なユーモアと、限りなく深い慈悲の心とを兼ね備えた、素晴らしい師匠であった。
若い頃はイエズス会に所属されたリソさん。
途中で聖職者になることを断念し、俗世へと戻りエニアグラム研究の道へと入られたが、思わず"Father Riso"(リソ神父様)と呼びかけたくなってしまような、そして、ついでに懺悔の一つや二つもしてしまいたくなるような、清濁併せ呑むようなスケールの大きさを感じさせる人、であった。



アメリカ南部はルイジアナ州、ジャズの街として知られるニューオーリーンズのご出身。
「これがSouthern breakfastさ。南部では、週末の正式な朝食によくフライドチキンが出るんだよ」と、ジョージア州アトランタ郊外で行われた泊まりがけの研修講座の朝食の席で、嬉しそうに教えてくださったのをよく覚えている。
無類のスイーツ好きとして知られ、日本滞在中には行く先々の駅の売店やコンビニに立ち寄り、チョコ菓子やクッキー類を大量に買い込んではすごい勢いで食べていた、と来日中のリソさんに同行した人がびっくり仰天していたっけ。


こんな人間くさいリソさんの姿、リソさん亡き後にエニアグラムの本に出会った新しい読者にとっては、ちょっとした驚きかもしれない。


若い頃に文学・神学を学ばれた方だけあって、その文章は時として難解な、学識ある人にしか通じないような語彙をも含みながら、華麗さ、そして明晰さと力強さをも兼ね備えた、噛みごたえ十分なものであった。


ただ、そのあふれでる学識や教養が災いして、ひょっとすると「超・真面目で、カミソリの刃のような鋭い人間観察力でもって、周囲の人間たちをバッサバッサと斬りまくっている、ちょっと近づき難い人」といった誤った印象を得た人もいるのではないか。
私は少し心配になってしまう。



いやいや、リソさんは決してそんなお人じゃないのですよ。


本の奥付にある「著者近影」を見ると、紳士服専門店の広告に出てくるモデルさんみたいにバシッと決めまくった超・二枚目、という感じ。


(筆者所有の"Understanding the Enneagram"より。1990年代前半のお写真。)

アメリカ人受講生の中には、
「実は長いこと、Don RisoのDonは『ゴッドファーザー』に出てくるようなイタリア系マフィアの首領の名前を呼ぶ時に使う『ドン』だとずっと信じていた。(例:ドン・コルレオーネ)
まさか"Donald"というファーストネームの短縮形だったとは...」と、笑撃告白をする人もいたっけ。
(「リソ」がイタリア系の名前っていうのが災いしたのね...。
一度思い込んだら最後、なかなか修正するチャンスに出会えずにそのままご本人とタイメ〜ン、ってなってしまったわけね...。)




一見するとコワモテ、でも実は【人見知り】気質が表に出ただけ。
その、重くて硬い岩の扉の向こうへと入ることを許されたラッキーな者達にとって、ドン・リソという人は



【お茶目なロマンチスト】



という言葉がよく似合う、愉快で楽しい(でもそれだけじゃないんだけどさ)、とびっきりチャーミングなオジさま。
...であった。
(タイプ4の方でした。中嶋真澄さんによるこちらの「タイプ4診断」、リソ&ハドソンのエニアグラムをベースにしていますのでぜひお試しあれ!)


英語版で以下の本に取り組みたい、っていう人は、そこんとこ、どうか頭の片隅に置きながら本を読み進めていって欲しいな。






今、リソさん(と、共著者のラス・ハドソンさん)の著作のうち、日本語で唯一簡単に入手できるものといったら、こちら。

エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編 (海外シリーズ)
ドン・リチャード リソ ラス ハドソン
角川書店
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今年も夏休みを利用して日本に里帰りをしたのだが、いろいろな出会い・再会があった。
それぞれの人が、エニアグラム的「十字架」を背負いながら、それでもなお、力強くそれぞれに個性的な人生を生きている様子を目の当たりにすることができて、元気をいっぱいもらって帰ってきた。


前は「仕切り屋」としてやたらキツい口調でもって周囲に指図しまくっていた、タイプ1(推定)の彼女。
久々に会ったら表情が柔らかくなったし、他のメンバーの話を上手に脇から盛り上げるのも上手になったな。 きっと、いろいろな人との関わりを通じて学べるような、充実した日々を送れているんだろう。良かった...。

タイプ3っぽい彼。会話相手としては面白い。でも、話をちょっと【盛ってる】ような気がする。どこまでが作り話で、どこからが真実なのか、怪しい。決して悪い人ではないんだけど。
でも、誰もそんなこと指摘しないだろうから、多分このまま同じような言動を繰り返し、周りの人間が静かに引いていく、というパターンを幾度も経験するんだろうな
...。

数年前に会った時は大病からの回復期だったせいか、元気が無く、シニカルな物言いが目立っていたタイプ6の彼女。ところが、今回、若い時からの念願だった仕事をめでたくGETし、これまた念願の仔犬ちゃんを家族に迎えることができたためか、とっても幸せそう。人の顔色見ては周りに合わせて生きてきた彼女が、今、自分の心に正直に生きることでキラキラと輝いている。

十代の頃はタイプ4らしさ全開!で、歌に舞台に(周りからの失笑も無視し続けて)ひたすら突っ走っていた、彼。 「あの頃の自分がつくづく恥ずかしい...」なんて今更言い出したりするところ、かわいらしくて、微笑ましい。正直者っていいな。

タイプ2のこの方、「私は世界史を学校で勉強していないから、わからないの。ダメなの。」と(口先だけは)自分を低めてその場から逃げる、という例の口癖、またやってる。言えば言うほど、「能力の無い自分」というイメージを無意識に焼き付けているようなものだと思うんだけど。「ダメだ」と言い訳せずに、学び始めればいいのにねぇ。今からだって遅くはないのに。 

シスター渡辺和子の「置かれた場所で咲きなさい」という言葉。

置かれた場所で咲きなさい
渡辺 和子
幻冬舎
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私は「いい言葉だな〜」と常々好ましく思っていたのだが、「そんなこと、あんたに言われたくない!!!」って激しく反発せずにはいられない方々も実際にいるんだ。へぇぇ〜。同じメッセージでも、受け取る人の性格タイプによって反応もさまざまなんだね...。




(「自分のことは棚に上げて、よくもまぁ、いけしゃあしゃあと...」と、私の友人・知人評を心良く思わない読者の方もいるかもしれない。ま、そんなものである。他人の欠点には思いっきり気付くくせに、自分の欠点にはとびきり鈍感、というのが世の常だ。はいはい、わかってますよ〜。)



上で例を挙げたような、それぞれの人が背負っている


【エニアグラム的十字架】
(=性格タイプ特有の、つい出てしまう、癖。)」


に気付く度に、私はリソ&ハドソン著の”Personality Types”Kindle版の該当ページを帰りの電車の中で、そして寝床に入った後も睡眠時間を削ってでも熱心に読まずにはいられなかった。
あまりにも的を射たその記述に、深く感銘を受けたことも、一度や二度ではなかった。



で、思った。


【やっぱり、エニアグラムの知恵って、すごい。特に、リソさんとラス(・ハドソン)さんによる著書の数々は、不朽の名作と呼びたいほどの、大傑作。】
(一生学んでも、学びきれないほどの課題がぎっしり詰まってる...。)


も一つ。



【人間なんて、本来はムヅカシイし、情けないし、かっこ悪い生き物。 

でも、転んで、傷ついて、いろんな形に歪み、少しずつ曲がったり、またまっすぐになったりを繰り返していくことで、いびつだけれど味わい深い、世界にたった一つしか無い芸術作品となり得る可能性を持っているんだろうなぁ〜。】

(そっ!欠点も無く、挫折や失敗とは無縁の順風満帆人生、つるつる・ピカピカ✨な、見栄えだけバッチリな人生、もしくは、無難でひたすら安全志向に徹したがゆえの「はみ出しゼロ」な人生送って来た人なんて、ある程度の年齢に到達した我々から見れば、ぜ〜んぜん魅力無いんです。
はっきり言って、つまらない。話をしても面白くない。


キズ物、訳あり物件、B級アウトレット品。
呼び方はどうあれ、互いの良さを発見しあうという、実に通好みの人付き合いのあり方。大いに結構じゃありませんか。どんどんやりましょう!)


と。



奇しくも命日にあたる今日8月30日の朝、ほんのちょっと立ち寄っては挨拶してくれたリソさん。
きっと、誕生日を迎えたばかりの私に、こんなことを伝えておきたかったんじゃないかな。


「どうか、これからもエニアグラムで学んだこと、エニアグラムの知恵を広めていくという務めを忘れないでいてほしい。 
これから先、エニアグラムのために何か君ができることがあるというのであれば、きちんとその仕事をやり遂げてもらいたい...。」


そんな解釈でよろしいでしょうか?



あなたが存命中に教えてくださった、たくさんのこと。
私、きっと世のため人のために役立てていきます。
ごくごくささやかな形で、となるかもしれませんけど。
「どうやって?(How?)」の部分は、歩きながら、走りながら、何とか帳尻合わせて行くとしますね。思い悩んで立ち止まってしまうよりは、とりあえず前に進んだ方がいい、と思いますので。
置かれた場所で自分なりの小さな花、咲かせられるよう精一杯やります。



私たち教え子の行く末、これからも見守っていてくださいね。



「しばらくの間は、居心地の悪さを覚悟せねばならない。

もし

我々を縛り付けるものが何であれ、

そこから解き放たれたい、と切に願うのであれば。」

ドン・リソ





2016/08/24

読書感想「ソース Source」〜「ワクワク」only? ん〜、スパイス不足で、星3つ。(★★★☆☆)

Kindle Unlimitedお試し体験中につき、カスタマーレビューで高評価の多かったこちらの一冊を流し読みしてみる。


ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすことにある。
マイク・マクマナス
ヴォイス (1999-10-01)
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感想。


明るく、夢と希望を胸に、上向いて歩こうという姿勢、
これは、誰であっても、いついかなる時でも、たいせつにしたいもの。





(遅ればせながらではありますが、ラジオというメディアを深く愛し、ラジオの将来を最後まで案じていて下さった永六輔さん。素晴らしい歌の数々をありがとうございました。どうぞ安らかにお休みください...。)

同様に、「ワクワクする」ようなネタをできるだけ多く自分の中&周りにストックしとく、ってことも、心とからだの健康づくりのためにはやはりたいせつにしていきたいもの。


ケガや病気の時に役立つ絆創膏や簡単な塗り薬みたいなもの、と考えていい。
使わないよりは使った方がその後の被害が拡大しないで済む。


この、「ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。」という本。
好き嫌いははっきりと分かれるだろう。
人の顔色ばっかり見てはやりたいこと諦めているような、何でも杓子定規に上から言われたことに従うような、クソ真面目な日本人体質の人には、なかなか受け入れられない内容かもしれない。
でも、そういう人にこそ、凝り固まった人生観に亀裂を入れてくれるような、いい刺激となるんじゃないかな。



私の場合、「目標はあえて立てない、目指す方向だけをきめておく。」という著者の提言はまさに「今、聞いといて良かったアドバイス」であった。
目標を高く掲げすぎるあまり、情けない現状を見ては勝手に落ち込み、せっかく45%ぐらいにまで高まっていたやる気レベルを一気に0%にまで急落させるという、困った癖のある自分にとって、これは実にありがたいヒントだ。
目標を達成し損なった時に味わう敗北感や、「まだ...できてない」という罪悪感を最小限に抑えることで、心を前向きで伸びやかな状態に保っておける、というわけ。
で、小さな一歩、また次の一歩...といった具合に、少しずつ前へ、上へ、と進む...と。


©123rf.com(Rahmat Nugroho



でもさ...


認知症で実子の名前も忘れてしまったような老親と向き合いながらの、エンドレスな介護生活。


健康そのものだった自分を襲った、不治の病との闘い。


生きているのもいやになる程の、むごい裏切りや、失恋体験。


親に捨てられ、凄惨な幼少期を送ったがゆえの極度の人間不信。


幸せな家庭に憧れて結婚したのに、毎日が配偶者からの暴力の連続。


...そういった苦しみ中の苦しみ、抜け出したいけどどうにも抜け出せないトンネルの中に囚われているような人がこの「ソース」を読んだとしても、あまり慰められるところは無いな、って思った。
ところどころでいいこと言ってはいるんだけどね。


軽い、のである。


この著者の考える、【世界】【人生】が。
あまりにも軽すぎる。


人生の【陰】【闇】【不幸】への理解や、そうした負の要素を抱えざるを得ない人々に今ひとつ共感できないでいる。
読み進めるうちに、そんな著者と自分の間に少しずつ距離感を感じてしまい、飛ばし読みしていったら、あ〜らびっくり、最後のページに「更に学びを深めたい人たちのために、別料金で『セルフ・スタディ・キット』が!」というお知らせが...。
それに、ワークショップで講師養成もやってるんですって?
へぇ〜。


(ハハハ!日本に上陸したと同時に、いわゆる「資格商法」って奴に化けちゃったのねー。
本国アメリカではもはや絶版・品切れ扱いの超マイナーな本なのに。Amazon.comを検索しても、日本語Kindle版しか浮かび上がって来ない、というこの怪現象。読者のみなさんだったらどう説明します?)


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作者のマイク・マクマナス氏はきっと実生活でも明るく、前向きで、素敵なおじさまだった(1999年没)のだろう。
それについてはいささかも疑うつもりはない。
若い頃からいろいろな社会慈善活動に関わり、「ソース」執筆前の一時期にはワシントン州上院議員も務めていたそうだ。
世のため人のために最後まで力を惜しまなかった彼の生き方には、素直に敬意を表したい。


ただ、この方、ご自身の私生活ではそれほど泥臭い苦労話とは縁が無かったのでは、って気がしてならない。(本当のところは知らないけどね。)
青年期特有のポジティブメンタリティと高い理想を持ち続けたまま、人生のフィニッシュラインまで無事辿り着けてしまった人、なんじゃないかな。
文章の随所からにじむ「おめでたき人」という印象、それほどにまで強かった。


爽やかで、ハッピーエンドで終わるエピソードに彩られている、この「ソース」。
読後感は決して悪くない。
あまりひねくれた読み方さえしなければ、だけど...。


悪くない、とはいうものの、本から離れ、一息つき、普段の自分へ戻ってみると、

「...さて、実際に役立つ知識は一体何割ぐらいあっただろう?」

と、冷ややかで、意地悪なもう一人のダークな自分がすかさずツッコミ入れてくる。
う〜ん。
何割かなぁ。せいぜい2〜3割、がいいとこ、じゃない?
既に実践していることもたくさん書かれていたし、新しく学んだことはさほど多くはなかった。
前述した「目標はあえて立てない」の部分ぐらい。
(私なら、「バカでかすぎる目標は、あえて立てない。」程度に見出しを修整しておくんだけどな。)


(うんうん、それでいいのだ、それで。
意地悪読者、冷ややか読者の視点をキープするのは、大いに結構。書き手や売り手の策略に簡単に乗らないためにも。
 

 何でもかんでも著者の言うこと鵜呑みにしちゃいけません。活字になっているからって、出版流通に乗って商品化されているからといって、別に書いたその人が特別「エラい」わけじゃないんです。 かつての自分はまさにそうした「まんまとカモになってしまう」タイプの、出版社にとっては実にありがたいタイプの読者でした。

市場に出回っている本も、個人のブログも、書いたら書きっぱなし、というのが基本、でしょう?出したら出しっぱなし。売ったら売りっぱなし。儲かりゃそれでいい、吐き出したいこと吐き出せたら、それでいい、って書き手の方が数の上ではずっと多いと思うのです。  

かく言う自分は後者のタイプ。「王様の耳はロバの耳...」と、井戸の底に向かって囁くしかできなかった床屋さんと同じで、現実世界で付き合いのある人相手には全然通じないような、、または口にしたら白い目で見られても仕方無いような、ニッチでけったいであやすぃ~話題について、このページ上でさんざん吐き出してはスッキリしているだけ。  

そもそも、アクセス数UPとか、アフィリエイとで小遣い稼ぎとか、そういう目的でブログやるのなら、こんな誰も知らないような本や外国人著者やピアニストの話ばかりだらだらと書きませんってば(笑)。 

大半の著者にとっては、わざわざ時間かけて本を読んでくれた人の人生がどうなろうと、ぶっちゃけどうでもよいのです。 本を読んだ人がその後天に上ろうが地獄へ落ちようが、そんなの知ったこっちゃない。ごく稀に、儲けなんて一切度外視して、読者の幸せだけを祈ってくれるような、良心的で心のきれいな著者もいるにはいるのでしょうけど... ま、今時の出版業界では絶滅危惧種でしょうねぇ。

 以前からずっと書き続けていることですが、こうした自己啓発本の取り扱いって、本当に難しいです。 客観的なデータや調査結果の正確さが命!の学術書・研究書や、科学・技術分野の専門書などとは異なり、「著者=それなりの能力・知識を備えたエキスパート(専門家)」...とは限りませんから。  

誰でも新規参入できて、「こんにちは。この本を出しましたので、今日から『専門家』と名乗らせていただきます。」と自己申告できちゃうような、つまりは「何でもあり❤」で、 
い い か げ ん   
(= 業界内の自主規制も、第三者による規制も、一切無し。)
 な分野。
それが、いわゆる「自己啓発」「self-help」「スピリチュアル/精神世界系」と呼ばれるジャンルなのです。
ダイエットや、エステサロンや、民間療法と変わりません。出した者勝ち、名乗った者勝ち、です。

「著者」「作者」だから、と、書き手側をやたらと持ち上げたがるタイプの読者は、特に気をつけましょう。  
というのも、こうした方々って、どんなジャンルの本を読んでも「私は無知だから...」「相手は専門家だから...」と、つい、不必要にへりくだってしまい、自分の意見を「つまらないもの」として粗末に扱う傾向があると思うんですよ。 

何でもかんでもへりくだってしまおう、という癖、できれば若いうちに直しておいたほうがいいです。さもないと、一度しみついた奴隷根性はなかなか取れませんよ。外国に行った時や、押しの強い相手との交渉場面で一苦労することになります。 「すいません、すいません。」(英語だと"Sorry"の連発。)と卑屈になってばかりいて、かえって相手から不審がられる、というケースも実際にありますので。 ←経験者は語る...。)


マイク・マクマナスさんの「理想化肌で、幸せ者っぽく見える、多芸多才な人」というキャラクター、どうもエニアグラムのタイプ7っぽいな。
「ワクワク」至上主義ってあたりも、かな〜りタイプ7臭が濃厚です。
英語でいう"excited"(興奮した)状態を追いかけてやまない人達、ですからねぇ。



そのような彼の思想に共鳴できる、共鳴したい、一緒にワクワク追求したい、って方はどうぞご自由に。
「紙の本を取り寄せて所持しておきたい」とまでは思わないものの、"feel good book"のひとつとして、長距離フライトのお供のKindleに電子版を入れておけるのであれば、まぁ、持っていても悪くないかな、って感じました。



いい夢見て、それでワクワク感盛り上げていくだけならば、お金も、他人への迷惑へもかからない。それで気分が上向きになれるのなら、やらなきゃ損!というもの。
そこんところは、マイクさんの見解に賛成します。
ただ、それを魔法の杖/打ち出の小槌みたいに振りかざすだけで、暗闇から逃げずにしっかりと向き合う、というプロセスを詳述しないのって、生き方指南書としてはどうだろう...。
ちょっと物足りないんじゃないかな〜、と思います。


(ひょっとして、別売り「スタディ・キット」買えばちゃんと載っています...って?んなアホな!みんなそこまで暇も無ければ金も無い!!!)


そこを行くと、人間ならば誰もが持つ、【闇の部分=シャドウ shadow】問題から逃げも隠れもせず、果敢に取り組んでいたこの方にはもう少し長く生きていてもらいたかったなぁ...。


「嫌いな自分」を隠そうとしてはいけない
デビー フォード
日本放送出版協会
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(デビー・フォードさん。1955ー2013。その早すぎる死、つくづく惜しまれます。 
しばらく前から下の本・"Why Good People..."のオーディオブック版を聞いているのですが、「これでもかっ、これでもかっ!」と、耳を塞ぎたくなってしまう程に醜い人間たちの生々しい姿...しかも、そこに自分の姿と重なる部分を発見してしまったりして、聞いていて結構しんどい...が、延々と紹介されていきます。超・超・ヘヴィーです。  
醜い自分と真っ向から向き合い、落ちるところまで落ち、それこそ全身血まみれになりながらのたうち回った後に力強く立ち上がり、人々に勇気と希望を与えるという役割を見事に果たした後にこの世を去っていったデビー・フォード。彼女にしか書けない、貴重な本を残していってくれました。)


まぁいいや。
いろいろな思想、いろいろな切り口、いろいろなビジネスのやり方があって構わないのだから。(←と、自分に言い聞かせてみたりする。)




目下の私の(いろいろあるうちの、一つの)夢は、南スペインのアルハンブラ宮殿に行って、この目にイスラム細密画+室内装飾の素晴らしさをしっかりと焼き付けてくること。
今から10年後ぐらいに実現させたい。(どうかその時南ヨーロッパ情勢が物騒でありませんように...。)
それまでに何とか仕事見つけて、お金貯めて、ちょっとはいい宿に泊まって、本場のフラメンコショー楽しんで、ついでに隣国・ポルトガルの首都・リスボン(P.A.様がお住まいの街...)も一緒に行けるぐらいの余裕ある旅ができればいいなあ。




↑大画面テレビでこのDVDを見ていると、「ひょっとしたら旅行よりもじっくりと観察できるかも...」と思えたりもして。(^_^;) い、いや、やはり現地に行かないとわからないこともあるはず。色とか匂い。空気の乾き具合。現地の人のスペイン語のアクセント。そして、何と言ってもその土地でしか味わえない、名物料理!



あ〜、とびっきりおいしいパエリアが食べたくなってきたー。
今日は動画でガマンだ!





実は私、数年来のパパさん料理ファン。
どの動画もおいしそうだし、実際にいくつかレシピも試しました。すべてハズレ無しの「旨し!!!」でしたよ。