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2017/01/22

(5時間目の昼寝常習犯)師岡さんと、大人のための古文【再】入門 その弐

その壱 からの続き。)

午後の授業はお得意の野球談議から。
それが、国語科のY口先生のシグネチャースタイルだった。入学以来、3年間ずっとお世話になった。
(もっとも、話の9割は先生が熱烈に愛してやまない横浜大洋ホエールズで占められていた。前日の試合で繰り広げられた数々のドラマ、もしくは「次こそは期待できる」といった応援演説の類に終始。ホエールズ話の合間に、チョコチョコと巨人下げ~⤵の話が入り混じる...というフォーマットは、われわれが卒業するまでずっと変わらなかった。)


温厚なお顔の印象そのまんまのお人柄だったY口先生。
円やかで慈悲深く、生徒達からも大変慕われていた。
あいにく、肝心の授業内容の方はほとんど覚えていない。
文法のプリントをよくもらったような気はするのだが...記憶はそれだけ。


Y口先生、ホントにごめんなさい。
決して悪気があったわけじゃなかったんです。
劣等生は劣等生なりに、先生のことを心憎からず思っていたんですよ。
でなきゃ、30年経った今でも、野球なんて全く興味が無いこの私が、授業の「マクラ」であった大洋ホエールズにまつわるよもやま話なんか覚えていませんって。
先生が、同僚のN倉先生(現代文の先生!)と一緒にお書きになった問題集を、卒業後20年以上経ってからわざわざアメリカから取り寄せるなんて酔狂なこともしませんって。

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(絶版になってしまったようだけど、社会人の人でも脳トレ本・教養本として充分使えますよ。
もし手に入るのであれば、おススメ!)

...いつか学年全体の同窓会でお会いする機会があったらY口先生にはきちんと謝らなきゃな、って思う。
そして、30年後の今、はじめて古文の面白さに目覚めて頑張ってます、ってことだけは何としてもお伝えしなければ。
少しは罪滅ぼしができるかな。


それにしても、高校時代ずっと、居眠りにかまけて古文の授業の大半を聞き逃したツケ。
これは実にデカかった。
後からじわりじわりとボディーブローのように効いてきては、私を長年にわたって苦しめることとなる。
(←「ボディーブローのように」。これ、ボクサーでもない自分がよく言うわ、といった感じの陳腐な言い回しだよね。単なる受け売り表現ってことでひとつヨロシク。)


高校3年生の秋。
入試本番がもうすぐそこに迫っているというのに、古文の読解問題では依然としてろくに点が取れないという状態が続いていた。
人一倍鈍い私も、これにはさすがに焦り始めていた。
今思うに、全ての元凶は「頭に貯蔵されている知識の量が圧倒的に不足して、しかもその一つ一つが壊れている」こと。
これに尽きる。
だが、当時はそれが全く見えていなかったのだ。(トホホ...。)


どのようにして毎回テスト問題を解いていたのだろう。
改めて振り返ってみると、こんな感じになるだろうか。


まず、問題用紙が配られると、文章をざっと読む。
そして、比較的自信があった文学史問題だけを一番最初に片付ける。
それから何回か本文に目を走らせながら、何とな~く意味のわかる(と、錯覚していた)単語を拾い出し、文脈にうまく合うような意味(それが正しい訳語かどうかはきわめて怪しい)が浮かび上がって来たら、何とかそれらの訳語をつなぎつつ、文章全体の言わんとしていることを推理してみる。
で、自分なりにどうにかこうにか辻褄を合わせ、「いかにもこうなりそうな」流れを勝手に自分でこしらえ、それでもなおわからない場合は当てずっぽうでも仕方ない、と諦めてとにかく解答欄を埋めていく。


こりゃ、へっぽこ霊能者がやる、的中率の恐ろしく低い「サイキックリーディング」(コールドリーディング?)とどっこいどっこいだわ。
だから、読みが大きく外れ、意地悪だけどもデキる出題者が仕掛けた罠にまんまとはまった時などは、そりゃもう、悲惨。
目も当てられぬほどの結果となって返ってくる。(何度やったかわからない。)


さすがに古文読解問題には通用しないだろーよ、サイキック・マジックは。

そう。
私の場合、頭に入っていて、武器として使える古文知識の絶対量が、何と言っても少なすぎた。
当たり前だ。全然勉強していないんだから。
覚えようと、理解しようと、努力していないんだから。
もし、ごくわずかではあるが、頭に引っ掛かっている単語や文法事項があったとすれば、それは単なる













でしかない。



そうした「点」のような不完全な知識が、ポツン、ポツン...と離れ小島同士のようにただ海面上、つまり意識上に時々顔を出していただけ、だ。
離れ小島と小島をつなぐ「線」など、一切存在しない。
だから、その「線」がいくつもまとまって一つの大きな知識体系(この場合、古典文法)を作り上げ、頭の中にしっかりと根を下ろしてぐんぐん成長していく...
なんてことも100%起こらない。
当然だ。

http://travelingyourdream.com/?page_id=2976

ただテキトーに何の脈絡も無く、ポツンポツンと脳内に置かれているだけの、壊れかけてボロボロな知識の断片。
それを寄せ集めたところで、「使え」るわけがない。
海外旅行用に「一週間で覚える旅行会話・フレーズ」なんてタイトルの本を買って、国際線の飛行機の中で数時間ばかりゴニョゴニョ音読練習したところで、その言語の達人になれるわけがない。
古文読解だって、それと同じだ。



だから、試験にこういう文言が出てくると、当時の私は瞬時にしてフリーズし、頭の中が真っ白になっていたものだ。


...完了の助動詞「たり」の活用の型は、って? 
(ラ行変格活用=ラ変型、です)

...助動詞「べし」の異なる意味・用法って? 
(す・い・か・と・め・て=推量・意志・可能・当然・命令・適当)

...係助詞・副助詞の代表的な例を挙げよ?
(係助詞=は・も・ぞ・こそ・なむ・や・やは・か・かは/副助詞=すら・だに・さへ・し・しも・のみ・ばかり・まで・など)

...この歌で使われている縁語を抜き出せ、って? 
(解答例:「くむ(汲む)」と「石清水」の「清水(しみず)」が縁語関係にある。)



...知らないよっ、そんなの!!!  
ずっと寝てたから、覚えてないんだってば!!!


ごくごく例外的に、

「~ましかば まし」
(意味:もし~だったら、...だろうに。/英語の仮定法に相当する表現。)

なんて、響きの愉快なフレーズが断片的に頭の中に入って来たケースもあったことはあったが(CMの文句と同じで、そういうのだけは即、覚える)、所詮小ネタは小ネタ。得点源にはならない。


もし、タイムマシンがあって、今、高校生だった頃の自分に会えるのであれば、「おぅ、古文舐めんじゃねーよっ!いい加減に気合入れろよ、気合っ!!!」と、凄みをきかせてきつーく叱ってやりたい。
あの頃の自分がいかにたるんでいたかは、英語学習に話を置き換えてみればよくわかる。

【中学1年生程度の貧弱なボキャブラリーしか持たない子。 
 「今度ね、英検準1級受けるんだ。合格すればラッキー☆彡」などとふざけた事をほざいているが、何の準備もしようとしない。】

古文に関して言えば、当時の私はまさにその大胆過ぎて玉砕必至!の中1レベルでずっと足踏みしていた。
まぁ、その後、無事大学に滑り込むことができたのだから結果オーライ、ドンマイ!なんだけどさ...。
喉元過ギレバ熱サヲ忘レル。


あれからほぼ30年。
きみまろ節の「あれから40年。」調で感慨深げに読んでね。)


ある日のこと、こんな年(40代後半)になっても、いまだに
「古文だめなんです。」
「古文は苦手でずっと避けていまして...」
と、ぶざまな言い訳を連発しては、問題から逃げ続けている自分の後ろ向きな生き方に、ほとほと嫌気が差した。
このまま死ぬまで同じセリフを繰り返していくつもりなのか。
そんな自分を情けなく思わないのか。
しばらくの間、自問自答し続けた。


で、遂に決心する。


大人のための古文、【再入門しよう


って。


立ち上がるきっかけをくれたのは、この本だ。

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時は2014年の春。
エイブラハムとかいうイタコ霊言ショーが猛プッシュする『引き寄せの法則』にしても、E.T.に似てなくもないエックハルト・トールとかいうドイツ人が大手メディアと結託して世界的に広めようとしていた『悟り系いまここ』にしても、どいつもこいつも胡散くさい奴ばかり。
もう、現代モノなんて懲り懲りだ。自分の見る目の無さには、それ以上にうんざりだ。」
そんな暗~い、自己嫌悪全開気分の時に偶然出会ったのが、映画「禅 ZEN」だった。


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映画を通じて道元禅師さんという素晴らしい霊的指導者の存在を知った私は、もっともっと禅について知りたい、お釈迦様の教えについてもっともっと知りたい!との思いを強くしたのだった。
参考過去記事:画「禅 ZEN」:ただ坐る。ただ生き抜く。】

道元さんご本人の手による「正法眼蔵」の方は相当難解そうで歯が立ちそうにもない。
下の本は電子版で買ったけど、案の定「そのうちね...」のカテゴリへとすぐさま押しやられ、Kindle端末の中で1年以上ほこりをかぶっている。
古文ではなく、れっきとした現代語訳であるにもかかわらず...。

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昨年末に出たひろさちやさんによるこちらの「NHK・100分de名著」テキスト


道元『正法眼蔵』 2016年11月 (100分 de 名著)

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(親切で良い本だと思いますよ♪)
をざっと一読してみても、その印象は覆らなかった。
ひろさんが穏やかに、優しく嚙み砕いて解説してくれればくれるほど、「...いや、本物はこんなもんじゃないだろうよ。『正法眼蔵』の原文が富士山の頂上だとしたら、この本やテレビ番組で紹介されていることは車で楽々行ける、五合目辺りのパーキングエリアレベルなんじゃないか」と、ひねくれた感想ばかり抱いてしまう。
なので、今はとても「正法眼蔵」に手を出す気になれない。たとえ現代語訳であっても。
まだ機は熟していない、って気がしてならないのだ。



でも、弟子・懐奘(えじょう)の手による、「正法眼蔵随聞記」の方だったら?
師・道元の教えを聞き書きした本、という体裁を取っている。問答形式だ。
こちらなら、ちょっとだけ頑張ればどうにか手が届きそうだ。
この一冊だけはどうしても自力で、原文そのままで読んでみたい!と思ったのである。
鎌倉時代の文章だから、平安期、たとえば「源氏物語」などの文章よりはよっぽど読みやすいけど、それでも「点と点」のお粗末極まりない古典知識しか持ち合わせていない古文劣等生にとっては、かなりのチャレンジだ。


特に、高校生時代にしっかり理解していなかった助動詞「べし」。
この一言が文の中に出てくると、頭の中が途端に全てがフリーズし、思考停止状態になってしまう。
「べからざるなり」なんてつながりが出て来た日には、もう、絶対、ダメ。本を閉じて、逃げたくなってしまうほどだ。
(まぁ、古文だけでは太刀打ちできない部分も多いので、いずれ漢文もざっとおさらいすることになると思う。課題、なかなか減らないな~。)

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一生読み続けていきたい一冊。鎌田先生の謙虚で誠実なお人柄が行間から伝わってきます。



続きは「その参」で。

2014/05/19

映画「禅 ZEN」:ただ坐る。ただ生き抜く。

2009年に劇場公開された、こちらの作品。






主演は、中村勘太郎(現・勘九郎)さん。
言わずと知れた、歌舞伎界の巨星・故・中村勘三郎さんのご長男ですよね。
40半ばのおばさんである筆者としては、「あぁ、あの可愛かった坊やが、よくぞここまで立派な役者さんに...。」と、実に感慨深いものがあります。





1:15以降の部分、弟さんの七之助さんとのツーショットには「きゃー!可愛い~~~!!!」を抑え切れませんっ。
それにしても、最初のサラダ油ギフトセットCMに出てくる勘三郎さん、若い...。
1970年代の若人、って感じです。



監督は高橋伴明さん。
そのためか、冒頭部分に奥様の高橋恵子さんが、主人公の母親役でほんの少しだけ出演されています。



道元禅師

道元禅師は1200年、京都にお生まれになり、14歳のときに比叡山(ひえいざん)にて得度(とくど)されました。24歳で仏道を求め宋に渡ると如浄(にょじょう)禅師のもとで修行に励まれ、「正伝の仏法」を相続されました。

28歳で帰国した後、正しい坐禅の作法と教えをすすめようと『普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)』を著され、34歳のときに宇治に興聖寺(こうしょうじ)を建立し、最初の僧堂を開いて修行者の養成と在俗の人びとへの教化を始めました。

また、仏法の境地と実践を伝えるべく『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の執筆を続けられ、45歳のときに越前に大仏寺(後に永平寺と改名)を建立しました。

その後も道元禅師は修行の生活を送りながら弟子の育成につとめられ、1253年、54歳でそのご生涯を閉じられました。
曹洞宗公式サイト・曹洞禅ネット「一仏両祖」の項より )





これまでの私は、海外在住が長いこともあって、仏教とは疎遠な毎日を送っていました。
(お線香の香りとお寺の純和風建築、そして鐘や木魚の音色は昔っから大好きですけどね!)
世界史選択の日本史嫌いゆえ、道元や曹洞宗について知っていることなんてごくわずか。
道元さん = 鎌倉時代に始まった日本の禅仏教を代表する僧侶。福井・永平寺を開山。
「正法眼蔵」などの著作は、ハイデッガーなど西洋の哲学者からも高く評価されている。
...その程度。






でも、夫の実家も、私の実家も法事の時にはずっと曹洞宗のお寺にお世話になってきたんですよ。
なのに、「全然知らないんですぅ~☆」じゃぁ、ねぇ。
いい年した大人が、さすがにそれではまずいと思いましてね。





旅に習い事に同窓会に...
と、現在、第二の青春を謳歌中の、我が家の3人のおじいちゃん・おばあちゃんたち。彼らもそろそろ80代です。
子世代としても、曹洞宗や、お寺さんに関する最低限の知識ぐらいは押さえておかないと、いざという時、お坊さんときちんと話もできないだろう...と、ずっと気になってはいました。
そんな時、YouTubeでたまたま見つけたのがこの映画「禅 ZEN」。







なんとありがたいことでしょう...。
この週末、全編フルに堪能させていただきました。



心に響いた場面は多々あります。
中でも一番ずしんと来たのが、ここ。上の予告編でも出てきましたね。



内田有紀さん演じる、貧しい遊女・おりん。
病気で乳飲み子を亡くした彼女は、救いを求めて道元の寺を訪れ、坐禅に取り組みます。



53:52あたりからの場面です。


http://youtu.be/PcoNpB4zG3o?t=53m52s



道元の弟子・俊了から坐禅の手ほどきを受けていたところ、抑えていた感情が爆発したように
「死んでやる~~~!!!」と、激しく取り乱し始めた、おりん。


「あたいは自分が憎い。

殺してやりたいほど、憎い。

あたいの中に仏がいる、なんてだます、あんたらも憎い...!

南無阿弥陀仏の方がよっぽどましだ!!!」




「嘘ではない!」


騒ぎを聞きつけて駆けつけた道元の、魂のこもった一喝。


「汝の中に、仏はいるのだ!!!」



「...ただな、簡単に仏さんには出会えんのだよ。

人間は誰もが あれが欲しい これが欲しい

ああなりたい こうなりたいと 貪(むさぼ)り、

思うようにならぬと 腹が立って 愚かなことをしてしまう。



そのようなもので目隠しをしているから、

仏が見えぬのだ。


だから坐るのだ。

その目隠しが取れるまで、ひたすら坐るのだ。

そうすれば 自分の中の仏と向き合える。


...おりん。


自らを殺すとは、仏を殺すことだ。


そして 他者への依存は
自らの仏を 否定することだ。」



実にシンプルな言葉です。
道元禅師はここで私たち人間全てに向けて、大変重要なメッセージを発しておられます。



「自殺は、してはならない。
他殺も、してはならない。
そして、自分以外の他者への依存も、

 止めねばならない。
仏は、自分の中にいる。」




精神世界・スピリチュアルといった分野の本は相当読み漁ってきたので、これまでにも似たような言葉はどこかで見聞きしているはずです。
でも、ここまでストレートにずしんと自分の内奥部分にまで届いたメッセージ、ちょっと思い出せません。




何事にも受け入れるのに適切な「時」(タイミング)がある。そういうことなのですね。
すごいなぁ。「時」と自分の内面が化学反応した時にだけ起こる、魔法の力って。




道元禅師という人物、そして禅の教えにとても興味が湧いて来ました。



これまで自分が経験してきた出来事ひとつひとつを教材としながら、先人の残してくれた禅の叡智を少しでも理解したい。
心からそう思えました。
もう「禅もどき」に戻ることは無いでしょう。



他にも忘れがたい場面もいくつかありました。


例えば、当時の執権・北条時頼が道元から教えを授けられる場面。
周囲からの殺意や敵意といった、さまざまな悪しき想念を一身に受けるうちに、狂人すれすれのところまで追い詰められてしまった、【孤独で哀れな若者】という時頼像を、藤原竜也さんが見事に演じています。それに対する道元禅師の教えも見事です。
藤原竜也さん、十代の頃から「心に闇を抱えた少年(青年)」を演じさせたら天下一品でしたよね。素晴らしい俳優さんだと思います。日本版レオナルド・ディカプリオ...って感じ、しませんか?



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↑そ、そっか。だから「友情出演」なのね!しかも高橋大輔選手!どこかの図書館にあったら読みたい~!



また、この作品は上に引用した部分でもわかる通り、「おりんという女性の成長物語」という伏線からアプローチすることもできます。
アマゾンレビューで多くの方々が書かれていますが、最後の場面での子供たちとのやり取りには、思わず目頭が熱くなってしまいます。引用なんて野暮なことはしません。
ぜひ、ご自分でご覧になって、何かを感じてみてください。
「慈母」そのものといったまなざしで子供達を見つめる内田さん。美しさにほれぼれしますよ。



最後には、力強く中国の大地を一人歩む、おりんの姿が映し出されます。
自らの天命を見出した人ならではの澄み切った、まっすぐな瞳が印象的です。
そんな彼女の姿を遠くから見守る道元禅師の、そして引いてはお釈迦様の目線にも似たカメラアングルでもって、作品は静かに幕を閉じます。



ほんとに、この作品は「人間的な、あまりに人間的な」おりんさんの存在抜きには成立し得ないですよ。
人生のスタートがどれほど不幸まみれでも、何度つまづいたとしても、それでも、人間には自力で仏性をおのれの中に再発見するだけの力が、ちゃんと備わっている。
彼女の生き方がそれを教えてくれました。






そしてそして。
主演の中村勘太郎(現・勘九郎)さんが作り上げた道元禅師像。
映画全編をスーーーーッと「流し見」してしまうと気付きにくいのですが、こうして文章にするためYouTube上の動画をちょこちょこおさらいしてみると、


若き学僧時代の道元】



から



【禅の教えを体現する偉大な霊的指導者・道元】



に到るまでの間、話し方や表情が大きく変化しているのに驚かされます!
ほとんど別人、と言ってもいいほど。いやぁ~、感服です。お見事としか言いようがありません!!!



勘太郎さんも、中村勘三郎(先代・勘九郎)という偉大な父親の長男として歌舞伎の世界に生まれ、「どうにもならない運命」の呪縛に幼い頃からずっと苦しんでこられた方ではないかと思います。



ガッチガチの伝統やらしきたりやら、とにかく「過去から伝えられてきた物が偉いんだ!」という業界にあって、いかに自分というものを表現できるか。

いかに自分なりの生き方を切り開いていくか。自問自答を絶えず迫られます。
そうした困難な課題と常に向き合い、ひとつひとつハードルを乗り越えてきた中村勘太郎さんだからこそ、日本仏教の歴史に名を残した偉人・道元禅師を演じるという難易度の高いお役目も立派に果たすことができたのかも。
私には、そう思えてなりません。



仏教と歌舞伎。
全く異質に見える二つの世界ですが、
【先人たちの業績を尊ぶ】
【ひとつの道に専心する】
【常に『超一流』のレベルを要求される】
点では共通しています。
案外、近いところに位置しているのかもしれません。




でなかったら、勘太郎さんがあそこまで「透き通った」感じの道元禅師は演じられないと思うのです。
監督さんが「とにかく真面目」と評する、彼のお人柄によるところも大なのでしょうけど。




DVDは2種類あります。ご予算に合わせて、どうぞ。
映画館までの交通費、それに加えての飲み物だの、食事だの、なんて出費を考えれば、決して高いお値段ではありませんよね。


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(早速、楽天市場のポイント使って買っちゃいました~♪手元に置いて、じっくりと見返したい作品ですから。)



道元禅師の教えを福井・永平寺とともに受け継ぐ、曹洞宗もうひとつの大本山・総持寺(横浜市鶴見区)にも、今年はきちんとお参りしたいなあ。日帰りの坐禅体験、日程が許せば行きたいですね。
白状しますと、今まで私にとっての総持寺と言えば、



石原軍団




(石原裕次郎さんのお墓があります。しかも、境内の立て札には「裕ちゃんの墓」...。)



と、



毎夏恒例の「一休さん」レイブ盆踊り w/DJ Bouzuでしかなかったので、





そろそろ意識の書き換えをしないと(笑)。
(一休さんは曹洞宗でなく、もうひとつの禅宗メインストリーム・臨済宗のお方、なんて突っ込みはナシよ♥♥♥)


2014/04/29

Oops! またやっちゃったよ、ブリトニー。



あ~あ。また、ですかい...。


前回の記事で取り上げました、世界的スピリチュアル・ティーチャー エックハルト・トール氏。(以下、E.T.氏と略しますね。)
「ニュー・アース」を読み始めた頃の時期の軽い興奮もすっかり冷め、最近では「Present moment…present moment,.... Being in the Now… Being in the Now...」ばかりの繰り返しに食傷気味。おかげで、少し突き放して見るだけの余裕が生まれましてね。


で、
「うーん。この程度の『教え』を、最終目的地とみなすわけにはいかないなぁ。人としてこう生きるべし、っていう、倫理的な要素も無いし。単なるマインド・ゲームと変わらない程度のものを『教え』(teaching)と呼ぶのは、ちょっと、ね...。
あくまでも箸休めの一品小鉢、って感じ。とてもメインのおかずとして扱う気にはなれない。」
との結論に到達しました。


そうして書いたのが前回記事「道の駅。でも最終目的地ではない。」です。



確かにどの本もそれなりにいいことは言ってはいるんですよ。
字面だけ追う分には人畜無害、後味はそれ程悪くないです。
でもね、よく読んでみると、その言葉のほとんどは禅仏教の僧侶たちや、イエス・キリストや、ブッダ、「奇跡のコース(A Course in Miracles)」のようなチャネリング本、


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それからJ.クリシュナムルティ


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(↑とあるブロガーさんのお勧めだった一冊。若い人たちからの質問に答えるという形式が、私のような初心者にはぴったりでした。難易度もちょうど良し。
寝る前に読むと、妙に落ち着くんですよ。)



ラマナ・マハルシ

あるがままに―ラマナ・マハルシの教え

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(未読なのですが、マハルシの教えとE.T.氏との親近性を指摘する人は多いようです。)



といった近現代のインドが生んだ賢人など、既に評価の定まった人々(←「人」じゃない方もいますが...。)の著書から発せられたもの。
元ネタが良いとすれば、それらをふんだんに散りばめた彼の本の読後感がすこぶる良くなるのは、まぁ、当然でしょう。
E.T.氏、アンソロジー(撰文集)作者としてはなかなかいい仕事していると思います。
私が彼の著作に惹きつけられたのも、「アンソロジー」として「ニュー・アース」がとても魅力的だったから。
そして、「ペインボディ」という概念が新鮮だったから。この二つが主な理由です。


ただ、一つどうしても納得行かない部分がありました。
E.T.氏が著書中で用いる逸話や書物からの引用の出典をほとんど明らかにしないこと。
あたかも、自分オリジナルのエピソードであるかのように、しれーっと紹介して、出処を明らかにしないこと。
これは鎌倉仏教、特に禅宗にゆかりの深いお寺を数多く擁するわが故郷・神奈川県をこよなく愛する一人の日本人として、看過するわけにいきません。



「引用の出典を明らかにしない」というE.T.氏の困ったクセについては、既に多くの人が指摘しています。
私も、最初に紙の本(英語版)を手に入れた時、巻末の注を見ながら、
「あれー?聖書以外にも、禅仏教とか、インド人著者の本とか、もっと色々な本から引っ張ってきているはずなのに、どの本が出所か、書いてない。おっかしーなー。」と感じましたね。
注のほとんどは、新・旧約を合わせた聖書からの引用を示すもの。
後は、シェークスピア、ニーチェ、エマソンといった、「大御所」的な人々の作品名がちらほら。
圧倒的に西洋人寄りです。



「ニュー・アース」をお読みになった方ならご記憶かと思います。
禅宗を初めとした仏教関係者(老僧と弟子、とか。)絡みのエピソード、ここかしこに使われていますよね?
例えば、「ペインボディ」の章(第5章)。
若い娘さんを担いでぬかるみを無事に渡してやった僧・担さが、5時間経った後で同行していた友人から「どうしてあなたはあんなことをしたのか?」と聞かれ、「おや、まだあなたはあの娘のことを考えていたのかい。」と答える部分、章の肝心カナメ、と言っても良い部分です。



数えてみました。
全部で33個ある巻末の「注」(どの本から引っ張ってきたか、元ネタの場所を示す記述)のうち、禅や仏教を扱った本の書名記載は、なんと、ゼロです。
皆無。
とにかく、東洋系の本に対しての扱いがひどいです。たった4冊しか書名が引かれていないんですよ。4冊のみ。
老子の「道徳経」を出典とするところが2箇所。それから、ヒンドゥー教の古典のひとつ・「ケーナ・ウパニシャッド」 、残るもう一箇所は14世紀ペルシアの詩人・ハーフェズ の作品集・"The Gift"。


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インド方面からも、やはり不満の声が上がっています。
"Hinduism Today"誌・「なぜヒンドゥー教はいつも貧乏くじばかりなの?」

In the Church of Oprah...Why does Hinduism get the short end of the stick?

日本人の私が「ちゃんと禅や仏教から引用したって書きなよ!」とプンスカしているのと同じで、インドが誇る諸聖人・賢人の業績をちゃんと認めるべき!と、ご立腹のようです。



明らかに印象操作、してますね。E.T.氏は。
いかにも「聖書使ってるよ!バイブルの教えに従ってるよ!!!」と、フレンドリーな顔して、アメリカ人のお茶の間にズカズカと入り込む。
オプラ・ウィンフリーの番組で大々的に取り上げてもらうからには、敬虔なアメリカ人キリスト教徒の善男善女に難なく受け入れてもらわないと行けません。
東洋思想ばかり引用するような著者では、やはりまずいわけですよ。基本的にアメリカは保守的なキリスト教徒が支配する国なので。特に、田舎。
元ネタが異教徒発&異文化発ばかり、って感じの本にするわけにはいかなかったのです。
でないと、せっかくつかみかけた巨大なビジネスチャンスもパーになってしまう。




数年前、「引き寄せの法則」でお馴染み・「エイブラハム」というエスター・ヒックスおばさん(監督&脚本:彼女の配偶者であった、故・ジェリー・ヒックス)のイタコワンマン「霊言」ショーにまんまと引っ掛かり、各種商品を買い漁り、YouTubeビデオを片っ端から見まくった...いう暗い過去の持ち主である私。
(詳しくはこちらをご参照ください。)



「もしかして、今回も、また...???」という嫌な予感と闘いながらも、この週末、件のE.T.氏についての世間での評判を徹底的に調べてみることにしました。



やっぱりそうでした。
...あーあ。またやっちゃったよ。



またしても、私は「大量生産&大量消費」の国・アメリカが誇る一大輸出産業


McSpirituality




【マックスピリチュアリティ】
(...もちろん、皆さんご存知の、あのファストフードチェーン店に引っ掛けてるんですよ!)



が得意とする、巧妙かつ効き目抜群のマーケティング戦略、および集団催眠術(要するに、洗脳/マインドコントロール。)に見事、引っ掛かってしまっていたのでした。

「禅」のツラした「禅もどき」に当たると、胃袋の代わりに脳味噌にじわじわ来ますよ。



そう。催眠術だったんですよ、催眠術。
私も、あなたも、それから全世界のE.T.読者も、集団催眠の術にまんまとかけられていたようなのです。
特にYouTubeの動画をたくさんみてしまった、そこのあなた。
(←あ、私、ほとんど見てません。だって、おもしろくないんですもん。本に書かれたことのリピートばかりですし。)



以下、あまり詳しくないので深くは立ち入りませんが...。
「E.T.は、NLP(神経言語プログラミング)
、特にミルトン・エリクソンの催眠技法を使っている。それも、かなり巧みに。」といった主張も、個人のブログや掲示板にていくつか散見されました。以下はその代表的な例。



http://grassrootsnlp.com/blog/4/nlp-language-patterns-eckhart-tolle

http://dharmawheel.net/viewtopic.php?f=63&t=15022#p204618



【参考:NLPラーニング 「エリクソニアン催眠特別セミナー」紹介文より引用。http://www.nlplearning.jp/seminar_event/erickson_s.html


「エリクソンはセラピーの中でいつでも催眠を使っていたわけではありませんが、
彼の催眠手法はそれまでの伝統的催眠とは随分と趣の異なるものでした。
いわゆる間接的アプローチと言われるもので、普通に会話をしながら
いつのまにかクライアントを催眠状態(トランス状態)に誘導したり、
意表をつくようなやり方であっという間にトランスに入れてしまうものでした。」】



こちらのGunther Weilという心理学者であり、人事コンサルタントでもある人物。ページの一番下にある記述に注目しましょう。「2001年、ベストセラー”The Power of Now"の著者・E.T.に招かれ…【今ここにある(Presence)】の実践を教える。」とあります。


http://valuementors.com/about-us-2/gunther-weil/



NLPマスターと名乗るこの方が得意とするのは、ミルトン・エリクソンの催眠技法のようです。オンライン版・エリクソニアン催眠情報ポータルサイトの執筆者の一人として、一番下の方に名前が見つかりますね。
はは~ん。どうやらこの方が指南役のようです。E.T.氏はこの方から直々に集団催眠のテクニックを学んだのですね。





悪用厳禁...って。そう書けば必ず悪用する人が出ますよね(笑)。ついクリックしたくなる動画です。うまい。


そして、こちらの掲示板。



以前は「ロス研究所(Ross Institute of New Jersey) 」の呼称で知られたCult Education Institute。
その名の通り、カルト宗教に関するあらゆる問題(啓蒙活動、被害者の救済、家族からの相談、脱会者へのカウンセリング等...)を取り扱う、非営利団体です。


エイブラハムの時もそうだったんですが、「ちょっとでも怪しいと思ったら、ここを探れ!」という良心の声(?)に促され、週末、じっくりとこちらの掲示板に目を通してみました。



ありました、ありました。
「ザ・お仕事(直訳。←なんだかダ〇ソーの商品に付いたラベルみたい。)」と呼ばれる一種のセラピーメソッドで知られる女性著者・B.K.とひとまとめにされて色々突っ込まれています。超・長大なスレッドです。


http://forum.culteducation.com/read.php?12,12906,page=1

全部(2014年4月末現在で287ページ分)は読めませんでしたけどね。さすがにそこまでは暇じゃないっす。



「認識の自殺」というぶっそうなタイトルの下、”The Power of Now”の矛盾点やE.T.氏の「教え」の欠陥を指摘し合うスレッド。全24ページ。

http://forum.culteducation.com/read.php?12,7166,page=1



極めつけは何と言ってもこれでしょう。
イギリス時代の彼を個人的に知っているという、「元・友人」の女性が掲示板に登場したのです。
この方の話が本当だとすれば、E.T.氏の人物形成・思想形成を知る上での大きなヒントとなりますね。
長大なスレッドの中に埋もれそうになっていたのを危惧した一投稿者が、別スレッドとして独立させました。


http://forum.culteducation.com/read.php?12,73107,83276#msg-83276



信じる・信じないは、読者の皆様のご判断にゆだねます。



こういう「暴露話」を嫌う方が大勢いることはわかります。
確かに、匿名掲示板でこのような知人の過去をぶちまける、というのは、かなりの「悪趣味」なのかもしれません。
ただ、私自身は全てのやり取りを読み終えても、この「元・友人」さんにそれ程悪い印象は抱きませんでした。(←そういうお前が下世話な奴だからだ、と言われれば、まぁ、それは否定できませんね。うん。)
というのも、かねてよりE.T.氏とその「パートナー」である女性の間柄に関しては、私もどこか違和感(=単なるビザ/永住権のための「偽装結婚」カップルのような雰囲気、とでもいいましょうかねぇ。)を感じていましたので、この「元・友人」さんの話はある程度真実だろうな、と、いう気がするんですよ。
100%真実ではないとしても、ある程度は。



E.T.氏の場合、「Eckhart Teaching」という商標名で持って自分を「ブランド化」し、動画配信やグッズの販売(笑)を行うなど、その活動やビジネスの規模は「単なる一般市民」を超え、半ば公人といっても良いほど。
このように影響力、特に人の精神生活/霊的生活に影響力を及ぼす人物の場合、「どこからネタを仕入れてきたか」「客から金取って販売している"教え"がパクリではないかどうか」といった情報は、消費者にもある程度は開示されてしかるべきではないでしょうか。
私たちの口に入る食べ物の産地偽装がまずい、というのと同じで、私たちの心や頭に入る霊的な教えの「産地偽装」もやはり好ましいものではない。
私は、そう思います。



興味ある方のために、コメント欄に小分けにして原文(英語)と和訳の両方をアップしていきますね。明日以降になりますが。
E.T.氏のファンの方で、彼のイメージを崩したくない、下世話な暴露話を読むなんて、負のカルマを積むようなこと(...。)はしたくない、とおっしゃるのであれば、どうぞ、お読みにならないでください。



あ~あ。
完全に、「デジャヴュ (déjà-vu)」ですよね。これ。3年前の「エイブラハム」から目が覚めた時と全く同じ展開だなんて。ううむ。
またもや、アホやってしまいました。あまり進歩していない自分にトホホホ...です。
(ま、金額的な損失は今回、せいぜ$25程度、と軽微なのが幸いでした。充実した地元の図書館と、激安古本が手に入るチャリティーショップのおかげですよ。)




McSpirituality 
(ファストフード・スピリチュアリティ)。



安く、早く、手軽に買えちゃう、っていう物にすぐ釣られたりするな、ってことですね。
「さわるな! 危険!!!」とでも、でっかく赤字で書いておきましょうか。



「全米ベストセラー!」「オプラ・ウィンフリーが番組中で取り上げ!」
なんて枕詞が付いたら、その本/著者の言うことはいつもの三倍は疑ってかかれ、ってことなのかもしれません。
「これを買え!これを信じろ!」
...集団催眠かけられて、ポワワ~ンといい気分にさせられたって、いいこと一つもありません。
今回のE.T.氏のように、"Don't think."的な、独裁的な支配者層がいかにも好みそうなメッセージ、気をつけないとすぐに毒されますよ。
テレビ消して、ブラウザも閉じて、電波の届かないところへと逃げた方がいいのです。そして、自分の頭をしっかり働かせないと。
でないと、一方的に洗脳されて、後で悔やむ羽目になりますよ。



日本のマスコミや某大手広告代理店が好むと巷では噂の、「ゴ リ 押 し」大作戦。
まさか、アメリカでも全く同じことが、それもお人よしが多そうなスピリチュアル好きな人々への猛プッシュという形で、静かに、でも、大規模(世界規模!)に行われていただなんて。
まぁ、日本は流行でも何でも、必ずアメリカの一歩後を追いかけていますしね。
そのうち似たような現象が起こるかもしれません。
いや、もしかしたら既に起こっているかも。
くわばら、くわばら。




精神世界・宗教に関しては、
「故人となった著者の作品しか読まない」
「イマドキの人には、深入りしない。関わりを持たない。」
といったマイルール作って、守り通した方がいいのかもしれません。


...本物の「禅」と、ニセモノである「禅もどき」。
その違いがわかるようになるまでは、やはり地道に勉強するしかないでしょう。
頭と、心と、両方をフル稼働させながら。



歴史の淘汰を経て、なおも多くの人々から尊ばれているような「本物の教え」に直接当たってみる。
そこから、自分なりに何らかの真実をつかもうと、七転八倒してみる。
本気でぶつからなくっちゃいけません。
「本物」にじかに触れて、「本物」にしか出せない良質のパワーを見分けられるようになること。
「禅もどき」を見破るには、そういう長くてしんどくて遠い道のりを歩むしかないのだ、と思います。
受身で頭真っ白にして、ただ待ってるだけでは何も変わりません。
(「がんもどき」なら美味しく食べられるけど、「禅もどき」は煮ても焼いても食えないんだよ~。)


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(さすがに道元禅師の「正法眼蔵」は少々手ごわいので、まずはこちらの鎌田先生の丁寧な解説書から。)




「生きている人間などというものは、どうも仕方のない代物だな。
何を考へているのやら、何を言い出すのやら、
仕出来(しでか)すのやら、自分の事にせよ、他人(ひと)事にせよ、
解った例(ため)しがあったのか。
鑑賞にも観察にも堪えない。



其処に行くと死んでしまった人間というものは大したものだ。
何故、ああはっきりとしっかりとして来るんだろう。
まさに人間の形をしているよ。
してみると、生きている人間とは人間になりつつある一種の動物かな」

(「無常という事」小林秀雄 こちら↓の本、p.69より引用。)


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2014/04/23

エックハルト・トール:「道の駅」。 でも最終目的地ではない。

【注:こちらの記事は
旧・楽天ブログ2014.04.19の記事 
に寄せられたコメント欄での、a y a f u y a さんとの会話が基点となっています。
全世界的に大ベストセラーとなった「ニュー・アース」

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の著者、エックハルト・トールが「私にはもうエゴは無い。消えた。」と発言したことを私が槍玉に挙げたあたりから、面白い展開になってきました。一部はしょりながら、そのやり取りを転載します。a y a f u y aさんのコメント部分は、ハイライト表示にしました。



エックハルト・トールについての過去記事はこちらからどうぞ。

「今」の力 ~ 案外近いぞ。エックハルト・トールと林修先生。
http://plaza.rakuten.co.jp/backtotheessence/diary/201402120000/


フレディー・マーキュリーに学ぶ、「ペインボディ」との付き合い方
http://plaza.rakuten.co.jp/backtotheessence/diary/201403020000/









(...)

結局、「この人【黒犬べーやん注:エックハルト・トールではない、かつてa y a f u y aさんが読んでいたブログの書き手。】もなんてこたぁない、単なる大人になった空想好きの不思議ちゃん&人生生き辛仲間なんだなァ~~」と今では思います。これが一番腑に落ちるんですよね。
別にこの方が「人より悟ってる!」訳でも「特別なチャネラー★」でも何~~~でもなく。





そうですよね。
結局、「あなたも、私も、所詮地球という流刑地に流されておつとめ果たしている、未熟者」に変わりは無いのかも。
(その中で、「模範囚」がいれば、その人を見習えば何かいいことあるかもよ...?)



あ、私、「自分が悟ってる」と公言する人は「あっ、そう。それで?」と即、スルーしたくなるんですよ。
一気に聞く気を失います。
a y a f u y a さんはいかがですか?



あのエックハルト・トールさんも、「自分にはもうエゴは無い」と言っていますが、そこんところは「ほう、そうか。」と聞き流しています。せめて「少ない」程度にしてくれりゃ、説得力あったんですけどね。



ま、「ペインボディ」の説明は、第一級のファンタジー/SFとして自分の中では大いに響くものがありましたので、これからも彼の本は読み返すと思います。



ここまで冷静に見られるようになったのは、スピやオカルトを積極支持する人たちの考えから、一度完全に離脱したのが良かったと思います。これは自分にとって大きな収穫でした★(それだけ、思考のバイアスがかかっていたΣ(・ω・ノ))


「可愛い子には旅をさせよ」って、きっとそういうことだと思います!よかったですね、有意義な「旅」ができて。


すると、アヤスィ話は好きでも「100%モロ」に影響を受けることなく、ファンタジーとして楽しめますし。後はお気に入りの作家を見つけては楽しめばいいんじゃないかな~と★


うんうん。(激しく同意)
あとは、そのお気に入りの作家や宗教家、指導者の言葉の中で、自分に必要なものを選んで、上手に吸収していけばいいのですね。
で、特定の誰かを応援し、拍手を送りたくなったら、その時はそうすればいい、と。
あくまでも、応援。「支配下に入る」んじゃなくってね。


(...)


で、ここからが、a y a f u y a さんに宛てて、今日私が新たに付け加える返信部分となります。



スルーしたくなるっていうのは全く同感です。
「悟ってる人なんて、今現在生きてる人の中には一人もいない」っていうのが自論ですから★


そう思いますね~。
「自分にエゴは無い」と言うのって、なんとなーく、「アイドルはウ○コなんかしないんだ!!!」と言い張る、熱狂的な男性ファンの心理と大して変わらんような気が...。(←きちゃないたとえですいません。)



今生きてる人、それもまだまだ余命たっぷりありそうな(まだ60代ですから!高齢者だなんて呼ばないの!@神奈川県大和市)年齢の方に言われても、釈然としないんですよね。



エニアグラムという性格タイプ学の指導者、故・ドン・リチャード・リソ氏や、共著者であるラス・ハドソン氏もおっしゃっていました。


「エゴっていうのは、本当に頑固で、しぶとい。
死なないんだよ。
死んだと思ったその時に、また戻ってくるんだよ。」


と、何度も強調されていました。
私は、このお二方の言葉の方に、より安らぎを感じます。真実味があると思います。


人間の性格を研究して数十年。その世界では第一人者と呼ばれるようになった後もなお、人格的修養を怠らず、「師」と呼ぶ人の教えを求め、日々自己省察につとめている方々ですら、そう考えていらっしゃるのですから、ねぇ。
(ちなみに、リソさんは元イエズス会所属。ハドソンさんは東洋思想、特に道元の禅仏教を専門に学ばれた方です。)



実際、このエックハルトさんの「自分にはもうエゴは無くなった」発言、引っかかりを感じた人はたくさんいるみたいです。

書評サイト Goodreadsより
「エックハルト・トール:自分がエゴから自由になった、って、どうやって分かったの?」(英語)
https://www.goodreads.com/topic/show/1571085-how-does-eckhart-know-that-he-is-free-of-the-ego



次のYouTube動画に寄せられたコメントの多さ(1000超!)がそれを物語っていると思います...。




「エックハルトさんが言いたいのは、『アタマ (mind) 』『思考』と同一化した自分すなわち エゴ が 一 回 は 死んだ、ってことなんだろう?(その後どうなったかは知らんけど)」
...と、好意的に解釈する人も多い一方で、



「そんなこと口にするなんて恥知らずな」
「イエス様でもない限り、有り得んだろ~!」
とばっさり切り捨てる人も多いんですね。
a y a f u y aさんがおっしゃったのと同じように。



「悟ったと思った」人がいても、わざわざ口にする事なのか??という話でして。。。口にした時点で、誰よりも俗っぽいよな~って思います(´・ω・`)


この辺は東洋人、というか、日本人の【謙遜】の美学...というか、日本人によく見られる【自虐】の美学が関係しているかもしれませんね(笑)。
ええ、勿論、私もまったく同感ですよ~。
「あちゃー。わざわざ口にするかなぁ?」って、やっぱり反射的に思ってしまいました。





「確かに、エゴは死んだ。でも、油断していると復活する。」
程度の言い方だったら、「なるほど。」と素直に受け止められるんですが。
そうは言っても、エックハルトさんのエゴが非常に薄く、向こう側が透けて見える程に弱体化しているって事については何の異論もありません。
その辺にいるあなたや私といった、市井の凡人達と比べれば、エゴの統御ははるかにお上手なはずです。



(...こうした一連のグダグダも、やはり、私の【エゴ】の部分から出た反応なんでしょうけどね...。
他人の口から出た、「それ、怪しからんよ〜」な物言いを黙ってスルーするのって、ホントに難しいもんです。恐るべし、エゴ。
日、暮れて道遠し、です。)


「エゴが無い=私は人間じゃない」と言ってるのと同じだと思うので。

そうそう。「アイドルはウ〇コ...」 


←しつこいよっ!!!(怒)



(じゃあトールさんは妖怪か!?)彼の本は興味深かったけど、その不遜発言は聞き捨てならない★


確かに、水木しげるワールドにすんなり溶け込めそうな風貌...かも。
(生で講演会聞きに言った方の報告によると、猫背だそうです。)
ソース:http://www.elephantjournal.com/2013/11/eckhart-tolle-live-in-london-a-disappointed-fans-review-carli-susu/

















ちゃんちゃんこの好々爺風♡



まぁ、彼の場合、最近活動内容がどんどん資本主義バンザイ! 稼げるうちに稼いじゃえ~~~!って感じでビッグビジネス化してきた、っていう点も気になりますねぇ。
セミナーの費用がベラボーに高かったり。例えば、2009年のオーストラリア・2日間セミナーのお値段は、当時のUSドルで$685。6万円台後半、ですね。宿泊代含まず、で、このお値段なのですから、やはりかなりお高い方でしょう。)
(ソース:http://www.spiritualteachers.org/eckhart_tolle.htm



...と書きかけたところで、一大発見!!!
あ”~~~~!
ヘイ$ハウス(ルイーズ・L・ヘイが築き上げた、ニューエイジ系書籍を中心に刊行する新興の大手出版社。)主催じゃないですか!

http://www.hayhouse.com.au/tour_details.php?tour_id=11 

...そりゃぼったくり値段でも当たり前だわ。
エックハルトさん、組む相手をちょいと間違えたかもね。
(あまりご存知ない方へ:そういう会社ナンデスヨ...ヘイハウスって~のは。)
大企業ですから、ルイーズさんのご意向とは関係無いところで値段設定が行われているかもしれませんけどね...。

改訂新訳ライフヒーリング(旧ライフ・ヒーリンク゛) You Can Heal Your Life
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エックハルトさん、この時のオーストラリアツアーで受けた批判の声にちゃんと耳を傾けたんでしょうかね。
最近ではご自分たちによる自主興行イベントがほとんどのようです。
6月のニューヨーク州・Omega Instituteで行われるトール夫妻による5日間セミナーは、食事・宿代込みで$1195ですって。
これは悪くないですね。



どうもエックハルトさん、アメリカではお馴染みの、テレビ伝道師(TV evangelist)化しつつあるような気がして、ちょっと心配です。
Eckhart.TVなんていう、有料定期購読の動画配信サービスを立ち上げたり、「二匹目のドジョウ」的なDVDや関連書籍・グッズが後から後からボコボコ出てきたり...。
「それって『霊的指導者(スピリチュアル・ティーチャー)』『自分はグルではない』と宣言した人として、どうなのよ!?」と突っ込まれても仕方ないかな〜、って気がします。


「霊」と「金」。
基本的に、あまり相性が良いとは言えません。



ネット上で小耳にはさんだ噂ですが、中国系カナダ人の奥さん、キム・エング(Kim Eng)さんが元々マーケティング畑出身の方のようで...
何か関係あるかな。



ま、いろいろありそうなので、今回はこの辺で幕引きとしましょうか。


a y a f u y a さん、今回も面白い話を提供してくださいまして、ありがとうございました!