ご存知の方も多いのではないでしょうか。
https://www.facebook.com/humansofnewyork/?fref=ts
【公式HP】http://www.humansofnewyork.com/
【フェイスブック非公式日本語ページ】
※英語版投稿の一部を抜粋して、有志の方々が翻訳されているようです。※
https://www.facebook.com/HONYinJapanese/
若手カメラマンのブランドン・スタントンさんが2010年から撮り続けている、大都会・ニューヨークの今を生きるごく普通の、名もない一般市民のスナップ写真。
被写体となった人々が語った生の言葉を写真に添えて、毎日Facebook上に数枚ずつアップしていく、という形式がじわじわと反響を呼び、今では一日につき軽く数万もの「いいね!(Like it!)」評価を獲得する程の人気ページとなっています。
ブランドンさん、こんな風にニューヨークの街を歩き回って、被写体に直接アプローチし、色々とおしゃべりしながら写真を撮らせてもらっているんですね。
どんな相手に対しても同じ目の高さからまっすぐに、誠意を込めて語りかける。
そんな彼だからこそ、被写体となった人も思わず心を開いて、ポロッと本音発言を漏らしてしまう、のかもしれません。
既に書籍化もされていますよ。
こちらが2013年発売の、最初の写真集。
Brandon Stanton
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昨年秋に出た2冊目の写真集では、被写体となった人々の語るライフストーリーが主役を務めました。
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そして、待望のお子ちゃまニューヨーカー特集。小さなおしゃれさんの笑顔がたくさん詰まっているはずですよ。
Macmillan (2016-02-25)
こちらの記事(日本語)でもHONYの略歴がわかりやすく紹介されていました。
Global Voices日本語版 2014/10/10掲載
【スナップ写真で街の住人を紹介。世界を身近に感じられる「ヒューマンズ・オブ・ニューヨーク」シリーズ】
HONYをチェックするようになってから約1年半。
印象に残ったエピソードや人物を挙げればきりがないのですが、つい数日前に掲載された(※英語版Facebookページのみ)、とある寂しげな表情をした中年男性の言葉、そしてそれに寄せられた読者からのコメントは私自身の課題とも重なる部分が多かったため、特に心を打つものがありました。
というわけで、自己流で日本語訳を付けてみましたよ。
男性の写真はこちらでご覧ください。HONY公式HP中の該当ページに飛びます。
http://www.humansofnewyork.com/post/139737397206/i-was-married-for-25-years-and-had-five-children
(どうも、元米国大統領で、ヒラリーさんの旦那さんのあの方に雰囲気が似ている気がするのは、話の内容が内容だから...でしょうか?)
「結婚は25年続いたよ。で、子供が5人。それなのに、僕の方で心にちょっとした誤作動が生じて、人生がめちゃくちゃになってしまった。浮気したんだ。いわゆる情事、ってやつさ。
『あなたはすごい人。』
誰かにそう認めてもらいたかった。
その気持ちが抑えきれなくなってしまったんだな。
女房に落ち度は無かった。離婚した今でも、無いさ。まぁ、夫婦なんて、結婚して25年も過ぎれば、マンネリ化するものだからね。
ちょうどそんな時、別の女が近付いて来て『あなたは特別だ。』なんて言って、ちやほやしてくれたら...そりゃもう、猫にマタタビ、となるよ。いくらでも欲しくなる。で、『じゃあ、そのうち昼飯でも一緒に。』なんて調子で話が進んで...と。
だけど、結局のところ、自分は自分でしかない。
他の人がどのように思わせてくれようが、自分は何一つ変わりはしなかった。
一時限りの感情、それだけさ。本気で追いかけたりして、我ながら愚かだったと思うよ。」
(原文)
“I was married for 25 years and had five children, but I allowed myself to make decisions based on emotional glitches. I had affairs. But they were affairs of the heart. I think I had a hunger to see myself as a great man in someone else’s eyes. My wife was a fine person, and she still is, but after 25 years of marriage things become settled. And when somebody else comes along and makes you feel like something special—it’s like catnip. You want more of it. You want to say: ‘Let’s get lunch sometime.’ But in the end, you are what you are no matter how somebody makes you feel. It’s just a feeling. And I wish I hadn’t chased it.”
Copyright: evdoha / 123RF Stock Photo
この男性の写真には、今日の時点(2016年2月27日現在)で4000近いコメントが寄せられているのですが、その中で特に多くの賛同者を得ているのが、Alan D.さんという男性の方による、次の言葉です。
私も思わず、「いいね!(Like it!)」ボタンをクリックしてしまいましたよ。
「浮気した奴が悪い、と、この男性一人を責めるのは簡単だ。 だけど、この話は、なぜ人間が浮気に走るのか、という問題を心理学的に実にまっとうな形で説明してくれているように僕は思う。
人は『自分は特別』と感じさせてもらいたいがために、つい、浮気へと逃げてしまうことがあるんだ。
実際、彼自身、認めてるじゃないか。『つかの間の、ニセモノの恋』でしかなかった、ってことを。
気付くのが遅すぎたよね。奥さんが彼の元を去ったのは無理も無いと思う。でも、この一件から得られたことだってあっただろうし、彼の今後の成長にとっても良かったんじゃないかな。」
(原文)
You know, it's easy to just condemn this guy for cheating on his wife, but I think this provides a very valid psychology for why people sometimes have affairs. It's about feeling special, and he admits that it was ephemeral and false. It was too late, and his wife should have left him, but there's merit to the story and to his evolution.
ここでは、「浮気」「婚外恋愛」「不倫」を道徳的にどうのこうのと語ることは致しませんよ。
ただ、「どんな人間関係であっても、嘘とごまかしが混入されるのは嫌ですよね。」とだけ申し上げるにとどめておきましょう。
奥さんに去られてしまった中年男性の言う通り、そして、コメント主のAlanさんの言う通り、
「あなたって特別な人なの」
「君は他の人と違うね。特別な存在だ。」
と言われて、グラっと来てしまう人は、確かにいますよね。
性別に関係なく。
...この手のおだて文句に弱くて、実際に誰かに言われたら、コロリと一発で参りそうだ、という方。
お客様の中にいらっしゃいますかー?
(ハイ!ココニ約1名、オリマス!!!)
あれまぁ〜、危ない、危ない。
外の空気に当たってちょっと頭、冷やしてきた方がいいですね。
どうも、「あなたは特別」という言葉には媚薬のような、人の判断能力を狂わせる作用があるみたいです。
他人にわざわざ「特別」扱いしてもらわなきゃいけないほど、脆弱で、ふにゃふにゃな自尊心。
(自尊心とは、特にこれといった根拠が見つからなくても、「うん、私はこれでいいんだ!」と、胸張って断言できるたくましい心...と、私は解釈しています)
これ、実に大きな問題でしてね。
何の対策も講じないまま、フニャフニャと頼りない状態のままに放っておいては、いざという時にとんでもないことになります。
この写真の男性が体験したように。
覆水盆に返らず。壊れてしまってから悔やんでも、遅いんです。
恋愛関係に限った話ではありません。周りをぐるっと見渡せば、ここかしこに「あなたは特別」の甘い誘惑が仕込まれていますよね。
例えば、
「あなたたちライトワーカー(Lightworker)が地球の未来を救うのです...云々」
といった、いかにもニューエイジ/スピリチュアル女子受けしそうな文章だって、要は「あなたたちは選ばれた人です。」という説を何とかして信じ込ませたい、という発信者側の意図が反映されているんですよ。
その他大勢と差別化し、ワンランク上へ持ち上げてやるような物言いをすることで、ポワワ〜ンといい気分にしてあげる、という。(で、あわよくば財布の紐もゆるやかに〜♪...ってね。)
「そうよ!私たちには宇宙から特別ミッションが課せられているのよ!!!」と奮い立つ一方で、実は内心「何も知らない、波動の粗い一般ピーポーは哀れよね...フッ。(笑)」とほくそ笑むような人、もし本当にいるとしたら...う〜ん。(...いや、確実に一定数はいると思う。本人たちは認めたくないだろうけどね。)
【後編】へと続きます。
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