2017/02/23

Brava!アデル。~ジョージ・マイケルへの鎮魂歌~

BRIT Awardsでのジョージ・マイケル追悼歌唱by クリス・マーティン(コールドプレイ)※が個人的に「ん~、微妙。」との印象だったので、お口直しにこちらも聴こうっと。

【※姉妹ブログ=3号館に投稿した記事です。クリス・マーティンの微妙な歌もそちらでどうぞ。 
アンドリュー・リッジリーだぁ!2017 BRIT Awards」 https://dragonlaughsalone-pastmidnight.blogspot.com/2017/02/2017-brit-awards.html 

2017年グラミー賞授賞式でアデル(5部門受賞、おめでとう!)が歌った、ジョージ・マイケルの"Fastlove"。



うわぁ、これこそプロ歌手ならではの仕事だよ。
アデル、すごいな。


1996年にこの曲を出した頃のジョージ・マイケルって、ちょいと触れればたちまち崩れ落ちそうな、そんな危なっかしい雰囲気を漂わせていた。(Fastloveの公式プロモーションビデオを見ると、そう感じずにはいられない。「この人ヤバそう」な臭気がプンプン、である。)


今回披露したアデルの歌からは、そうした故人の苦難に満ちた生涯をねぎらい、その傷ついた魂を少しでも慰めたいという気持ちが充分に伝わって来た。
原曲の歌い手であるジョージ・マイケルへの感謝と尊敬が表れていたのはもちろんであるが、それに加えて歌手として最盛期を迎えているアデル自身の実力や、表現力が余すところなく発揮されていた。
素晴らしいパフォーマンスだった。
一度歌い始めたものの、出来に納得が行かなかったため(音程が微妙にずれていたよね)、仕切り直した結果が上の動画である。
お見事。


アデル、2012年のBrit Awardsで、プレゼンターとして急遽登場したジョージ・マイケルからBest British Album賞を直接受け取っているんだね。(ソース:Wikipedia George Michaelの項
それだけに、今回、彼の偉大な業績を振り返るために設けられたグラミーの特設ステージで歌うことになった"Fastlove"には、相当な意気込みでもって臨んでいたに違いない。


ジョージ・マイケルという人は本質的にロマンチストで傷つきやすく、そして心優しい人だった、と私は思っている。
すさんだ私生活の苦しみから少しでも逃れたくって、クールでちょいワルな仮面をかぶる時期が長らく続いたにしても。



1990年代に入ると、同性パートナーや母親といった親しい人との死別が相次いだジョージ・マイケル。


以後、彼の人生はじわじわと闇に浸食されていく一方だった。
80年代のWham!活動期があまりにも光に満ちた、いささか人工的と感じられる程に明るいイメージで彩られていたため、光から闇へのコントラストが一層際立ってしまった。


12月25日。
クリスマスの朝、ジョージ・マイケルは同居するパートナーによって既に息絶えているところを発見された。享年53歳。
彼の死に関して、それ以上の詳しいことは伝えられていない。


彼の中に巣食っていた大きな闇は、最期まで消え去ることは無かったようだ。
闇は、薬物問題や、公共の場での不適切な性的行為といった形をとって、何度も何度もわれわれの前にその姿を現してきた。
無視したくっても無視しようが無い。
あまりにもしつこく、不様な現れ方ばかりしてきたから。
そのうち、われわれも彼の醜聞にはすっかり慣れっこになってしまった。
「ジョージ・マイケル、逮捕」というニュースの見出しを見ても「ああ、またか。」と、大して驚かないようになってしまっていた。
(昭和世代の我々に言わせれば、これ、「シミケン状態」である。)


晩年には音楽活動の方も途切れがちで、ライブコンサートも土壇場でのキャンセルが目立つようになっていた。
健康面でも生死の境を幾度もさ迷うことがあったという。
当然ながら新作(書き下ろしの、スタジオ録音)のニュースもとんとご無沙汰、と、まるで開店休業のような状態であった。
だが、まさか53歳という若さで(それもクリスマスの日に。)突然この世を去るなんて。
そんなこと、一体誰が予想しただろうか。


華やかそうに見えるペルソナ(仮面)の裏側に果てしなく広がる一方であった、ジョージ・マイケルの心の闇。
自殺願望が強かったのだろうか、とこちらが邪推したくなるほどに自動車事故もたくさん起こしてきた。
いずれの場合も飲酒や薬物が絡んでいたらしい。2013年には「よくそれで命が助かったものだ」と、記事を読むこっちがヒヤッとするような大事故にも遭っている。高速道路を走る車の助手席から転げ落ちる、なんて、一体何があったというのか...。


今回、追悼の歌を歌うことになったアデル自身にも、過去にはジョージ・マイケルと同じように、底知れぬほど深くて暗い、地獄さながらの闇を潜り抜けた時期がきっとあったのではなかろうか。
そうでなけりゃ、ここまで凄みのある歌い方はできない。(もしくは、彼女が真の天才だ、とか。うむ、その可能性も否定できないぞ。)
「悲しい酒」を歌う時の美空ひばりさんの姿とアデルの姿が重なり合う。


この日、授賞式の総合司会者を務めたジェイムズ・コーデン(James Corden)。
彼もまた、ジョージ・マイケルとの接点を持った人であった。

(以下、初出は2017年1月@Google+)

「あいのりカラオケ」シリーズって、元々BBCでやっていたものだったんだ。へぇ。またしても米国発じゃないのね。
(彼の番組The Late Late Show with James Cordenで放映されたCarpool Karaokeシリーズの動画リストはこちら→ https://www.youtube.com/playlist?list=PLZ1f3amS4y1ffYEhGZDtawaEyRQQu69Bw



気乗りしなさそうな顔してそっぽ向いているのは、もちろん先日亡くなったジョージ・マイケル。
番組ホストのジェイムズ・コーデンがWham!の大ヒット曲・"I'm Your Man"を流し始めたところ、ノリノリの曲調にジョージの表情もいつしか和み始め...。


この人、元々繊細で、周囲の人々の喜んだ顔を見るのが好きだった「心優しい孝行息子」なんだろうな。
10月に亡くなったピート・バーンズとまたもや重なるよ。
二人とも、母親の死をきっかけに緩やかに壊れていった、から。

【参考記事:http://backtotheessencenow.blogspot.com/2016/10/rip-dead-or-alive.html、コメント欄でuniqueさんが提供してくださった情報に、その辺りの事情が詳しく書かれています。】

1980年代という英米ポップ&ロックミュージックの黄金期がちょうど十代の日々と重なる、昭和生まれの私たち。
ジョージ・マイケルという類まれなる天才ミュージシャンの音楽と一緒に学生時代を送ることができて、本当に幸せだった。

ありがとう、ジョージ。
今はあちら側の世界で安らかに眠れていることを祈ります。
もし、デヴィッド・ボウイ、フレディー・マーキュリー、ついでに1985年ブレイク組のピート・バーンズといったイギリス出身のミュージシャン達に再会できたら、「LIVE冥土」でも盛大に開いちゃって欲しい。
いつかわれわれもそっちに合流して、生演奏を絶対聴きに行くからね。
...まぁ、あまり急がずに行くつもりではいるけど。まだまだこちら側でやりたいことが残っているし。


面白い動画を見つけた。
ジョージ・マイケルのルックスの変化をモーフィングの技術を使って時系列的に並べたんだね。(元10㏄のゴドレイ&クレームGodley & Cremeがミュージックビデオに取り入れたことで、音楽ファンにお馴染みとなった手法だった。)
ちゃんとその時期に合わせた音楽をBGMにしているところが秀逸であります。



あ、マイケル・ジャクソンフレディー・マーキュリーもある。後で見ようっと。



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