2014/10/29

「生きざまは身体にあらわれる」(Your biography is your biology.)

キャロライン・メイス(Caroline Myss)が、著書や講演の中でよく使う言葉です。


この方、90年代~現在にかけて活躍中の、「7つのチャクラ」を初めとしたベストセラーを多数執筆している著者なんですね。
直観医療(intuitive medicine)リーディングを専門としています。
近年では、医療からスピリチュアル全般へ、と取り上げる話題がシフトしてきました。



元々カトリックの人なので、取り上げる人物や逸話もキリスト教色が濃厚です。
にもかかわらず、インドの聖者・サティヤ・サイババへの帰依を公言していたり。
一筋縄ではいかない、実に面白いおばさまです。頭も抜群に切れますしね。




(旅行先のスコットランド・フィンドホーン共同体で急病に倒れ、苦しんでいた時のこと。
自分でも訳がわからないまま、「ババ様、ビブーティ(聖灰)を私にください」と祈り続けた彼女の元に、その翌日、"To Caroline Myss"という宛名と共に、小さなフィルムケースに入ったビブーティが届きました。
過去にデンマークで彼女の講義を受けたことのあるファンの男性が、何日も前に投函したものでした。
このフィンドホーンへの旅は全くの私的な休暇だったため、送り主の男性は彼女の居所を知るはずもありませんでした。)

【参考記事】
https://sathyasaibaba.wordpress.com/2008/05/02/caroline-myss-crosses-paths-with-sathya-sai-baba/ 

彼女はCDや書籍の中でも、幾度かこのサイババ神秘体験に触れています。代表的なのは、こちら。(私が持っているのはハードカバー版なのですが、211−212ページにその逸話が登場します。)

チャクラで生きる -魂の新たなレベルへの第一歩- (サンマーク文庫)
キャロライン・メイス
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(タイトルが与えるインパクトに関しては、原題の勝ち!)


今朝聴いていたCDに面白いフレーズがあったので、メモっておこうと思いまして。


Personal Healing
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Caroline Myss
Sounds True
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ロンドン中心部にある王宮・セント・ジェームズ宮殿での記念講演会より。
聴衆の中にはチャールズ皇太子もいます。CDの最後で、数分間だけ〆の挨拶をしているのが収録されていますが...まぁ、これは要らなかったかな。
ただでさえメイスおばさんの話、ほんのちょびっとしか入っていないんだもの。


「私たちから力を奪うものではなく、
私たちを力付けてくれるものを
選ぶようにしましょう。
そうすれば万事うまくいきます。


今、その正体がよくわからなくても
構いません。


というのも、どうやら、神様というのは、
なぜ(Why?)】あなたがそれを選ぶのか、という
ことの方がより気になるらしいんですね。
意外でしょうけど。


【なぜ (Why?)】選ぶのか。
そちらが大事なんです。【何(What?)】ではないんです。



Choosing something that empowers you is always better than something that disempowers you,
even if you don't know what you're choosing.
Because, believe it or not, what is probably true is that Heaven cares more about WHY you make the choice that you do, rather than WHAT you choose.


(Caroline Myss,"Personal Healing" <Audio CD>, Sounds True, 2003.
訳文は黒犬べーやんによる。)




7つのチャクラ (サンマーク文庫)
キャロライン・メイス
サンマーク出版
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(*Myssで「メイス」なんて、読めませんよ、普通...。ポーランド系の苗字だそうですが。
ファーストネームの方にしても、CDのナレーション等では、「キャロリン」の音に近いです。Amazon.comの読者レビュー欄などでアメリカ人による文章を読むと、"Carolyn"とスペリングをミスっている人が多いことからも、発音はキャロラ・イ・ンではなく、キャロリ・ンと読むのが正しいのでしょう。
一応、ここは翻訳本での表記&慣用に従い、「キャロライン・メイス」で統一しときます。)



きっかけは、8月の終わり頃、偶然地元の図書館で見つけた、彼女のオーディオブック(CD)でした。それがこちら。



Caroline Myss' Essential Guide for Healers
Caroline Myss
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ヒーラーでも、ヒーラー修行中でもない、ただの野次馬素人である私なんぞが借りていいのかいな、と迷ったのですが、聞いてみたら内容はいたってまともでした。


自分に自信の持てない「ヒーラー(癒し手)願望の強い人たち」。
そして、既に「ヒーラーになってしまった」人たち。
こういう人には往々にして、真の自尊心というものが欠けている。
真の自尊心を築き上げていない人がヒーリング業界に入ると、クライアントさんを「上から目線」で見てしまいがち。「私が、この手で治すんですよ(ドヤ顔)!」的な誤った傲慢さを身に着けてしまう恐れがある。
これでは、癒しどころか、クライアントさんにとっては害となるばかり。
癒しというものは、ヒーラーの力を超えたところで起こるもの。
それを忘れてはならない。


また、ヒーリングを生業とする者には、常に自分を謙虚に見つめなおすこと、自らのダークサイド(=影/シャドウ)の問題に取り組む覚悟とが要求される。
そんなことすらできない人に、癒しのプロを目指す資格は無い。
プロ失格である。


...といった話が、4枚組CDで熱っぽく語られていました。



「ヒーリング」をテーマとしているにもかかわらず、彼女自身の語気は荒っぽいし、話がヒートアップしてくるにつれて「マッサージの施療室に置いてある、あのチョロチョロと流れてくるミニ噴水の音。あれ、トイレの水漏れと一体どこが違うっていうのよ!!!」とか何とか、もう、言いたい放題。(誰か彼女を止めてくれぃ〜。)
まるで80〜90年代初頭の、ビートたけしの「オールナイトニッポン」や、「北野ファンクラブ」で繰り広げられたような、毒舌トークのノリなんですよ。
(実は私もあの人工的なチョロチョロ水の音には、うーん、ちょっと...と、日頃から複雑なものを感じていたので、これには大爆笑でした。)



そっ。
普段は落ち着いた顔して猫かぶって(←失礼)いるけど、一度火が点き始めるとどっちに飛んでいくのか全く予測がつかない。
そのような、ネズミ花火みたいな人っていうのが、このキャロライン(キャロリン)・メイスの基本イメージ、でしょう。
(はい。私、この彼女の野性味あふれる危なっかしさ、結構楽しんでいますよ。)



アメリカ人でも、"Caroline Myss...Either love her or hate her."なんて書く人が少なくないことから、好き・嫌いがハッキリと分かれる著者(話者)です。
「ヒーリング」「ヒーラー」なんてタイトルに「優しさ~♪」「安らぎ~♪」なんて甘い雰囲気を期待してCDを再生したら、パンチ効き過ぎ、彼女の激辛ド突き説教の連続に怖くて泣いちゃった、っていう方、たくさんいそうです。Amazon.comでの評価があまり高く無いところを見ると。
個人的には文句無しに★★★★★(五つ星)をあげたいところです。
今、この時点で自分に必要なメッセージが目白押しでしたから。良薬は口に苦し、を地でいくような話でした。
まぁ、性格的な相性というものもありますし...お世辞にも万人向き、とは言えないかも。



サンマーク文庫の流麗なる日本語訳からは、決して浮かんでこないと思いますよ、この彼女の鬼軍曹&怖いおばちゃんキャラ...。
こちらは、彼女が司会を務めるラジオに寄せられた電話相談の様子です。



(クスリが止められない「ヒモ」的な男性との今後について相談した質問者に対し、キャロライン姐さん、「そんな男、追い出しなさいっ!出てけー!って言うの。『あんたに利用されるのはもうたくさんだ!』って言ってやんなさいっ!!! 憐れみと愛とは別物なのよっ!!!」と、力強くバッサリ。
某・細○のおばちゃん級の力技・説教トークですね。圧巻。)



「7つのチャクラ」を読んだ時の印象から、もっと学者系スノッブ(=背伸びしぃ~&知ったかのイヤミィ。)で、石頭の修道女っぽい人かなぁ、と思っていたら、全然違ってました。これにはびっくり。
まぁね、本っていうのは、出版にこぎつけるまでに編集者やその他大勢の人の手が入るもの。(版元が大手出版社だと、なおさらそうでしょう。)
汚れも、傷も、きちっと修正された上で磨きをかけられ、ピカピカの姿で出てくる「工業製品」みたいなものです。
書いた人のキャラクターが100%反映されるか、っていうと、そんなことはない。あまりにもぶっ飛び過ぎたところは少しトーンダウンさせて、万人に口当たりが良いよう、上手に加工されますからね。


一方、TV・ラジオやCD(オーディオブック)など、「しゃべり」媒体におけるキャロライン・メイスの印象は、全然違います。
はるかに荒削りで、血の気が多くって、辛口ジョークも連発。
全然「作ってない」「飾ってない」んですよ。聞いててハラハラさせられる時、あります。もう、欠点も何もかも全て無修整でポンポン出しちゃうから(細かく自己検閲なんてマメなことはしない)、CD聞きながら爆笑することもしばしばです。



話の持って行き方も、「ちょ、ちょっとそれ、強引じゃないすかー?」ってこと、結構多いです。(←この、強引さっていうのは彼女の本にも共通して見られる傾向。時々、眉にツバ付けたくなる部分、出てきます。)
かと思うと、ある時突然、じゎゎーんと心に響くような深~い話を、ポロッと吐き出したりする。
ガンガン、ホロリ。
この落差がたまらなく面白いです。



私にとっては、この「ガンガン!&ホロリ。」のメイス話法、つまり、毒舌&暴走発言の合間に、ふっと「デリケートで純粋な、本音発言。」を忍ばせるというテクニック、やはりビートたけしさんとかぶるなぁ、って感じがしますね。
ま、「崇拝」したい...とは思わないですよね。好きだけど、でも、崇拝はしない。
こういう強烈な個性の方々は、公(パブリック)な場でのお姿を遠巻きに見て「ほーんと、面白いこと言ってるよなぁ〜。」と、単なる「ファン」という立場でひたすら感心だけしているのが私自身にとってはベストの距離感、という気がします。
私生活でもどっぷりお友達になる...
う〜ん。別にそこまでしなくても、いい、かな。



(ふと思いついたのですが...。
急激に発展を遂げる新興宗教の教祖とか、企業経営者には、この手の強烈なエネルギーの持ち主、多いような気がします。
「ちょっと強引なところもあるけど、勢いがあって、大勢の人を惹きつけて前進&勢力拡大できるパワーの持ち主。でも、静かにじっくりその姿を観察する人には、雑なところや詰めの甘いところもチラホラ見え隠れしたりする。」
...という感じの人。
いますでしょ?そういうパワフルそのものなお方。あなたの身の回りにも一人や二人ぐらい、いませんか。)



そういえば、たけしさんも昔、こんな映画作ってたんですねぇ。
見たことないのですが。(な、なんて濃ゆい俳優陣なのだろう...。さすがです。玉置浩二と岸辺一徳の両氏をぶつけるなんて!)



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実は、キャロライン(キャロリン)・メイスに接したのは今回が初めてではありません。
数年前、「チャクラ」に興味を持ち始めた時に、上に掲げた「7つのチャクラ」の英語版を入手しました。
最初から最後まできちんと読破したことは、しました。一応。



ただ...
本を読み進むにつれて、その論理の進め方がどうも強引過ぎるような気がしたんですね。で、イライラしてきた。
「インドから来たチャクラ、キリスト教のサクラメント、ユダヤ教(カバラ)の『生命の木』...そんなに都合良く、全てがぴたっと対応するんかいな!? ホンマかいな!?」...って思いました。
で、これ以上読む意味無し!と判断し、ゴミ箱送りの刑と相成った次第。
彼女の本など、もう二度と手に取ることはないだろう、と、その時は思ったのですが...。



なのになのに、それなのに。
「男はつらいよ」のフーテンの寅さんがある日突然、脈絡も無く故郷の葛飾区柴又に帰ってくるように、なぜかは知らねど上の「Essential Guide for Healers」のCD4枚組はいつの間にか私の縄張り内に入ってきてしまいました。
これをきっかけに、キャロライン・メイスの他の著作物も我が家に次々と入り込み(主に図書館から♪)、現に私のPC周辺を占拠してるんですよね〜(苦笑)。カーステレオでもヘビーローテーションで毎日かかってます。聞いてます。実に面白いです。




冒頭に引用した言葉に無理矢理話を戻しますと、


【なぜ?(WHY?】私は今、突然キャロライン・メイスを読み始めているのだろう。


それに対する答えは、きわめて単純・明快です。
この記事のタイトルに選んだ彼女の決まり文句:


Your biography is your biology.

(あなたの伝記はあなたの生物学である...
意訳して

「あなたの生きざまは、
あなたの身体にあらわれる」 


と、してみましたが。)

この一言に


ガツーン!


と、一発、やられちゃったんですよ。
惚れちゃったんです。
運命的な出会いを感じてしまったんです。←オイオイ...大丈夫なのか、脳味噌!?(苦笑)



だって、この"Your biography is your biology."って言葉。
ちょっとすごくありません?


《...文系(伝記) 
と 理系(生物学) が
クロスオーバーするところ 
= 人間の心と身体

という意味が込められているんですよね?



深い。
深すぎる。
これが面白い話にならないわけがないじゃないですか。
右脳ばかりが肥大化し、数字や、論の組み立てなどが苦手な文系人間の私なんぞは、このように思うんですけどねぇ。
皆様はどう思われます?


ゆるゆる、ぼちぼち〜というペースで10年以上ヨガを続けている者としては、この辺りの心身相関論というのは非常に興味をそそられる分野なんですね。
時間があったら、もっとその辺を学びたい...と、ちょうど思い始めていた頃でした。


いや〜、数年前、「7つのチャクラ」ではなく、こっちの本を最初に読んでおけば良かったなぁ。
ハーバード大卒の著名な神経外科医・ノーム(ノーマン)・シーリーとの共著だけあって、怪しげな話は最低限に抑えられた上、各症例の記述も実にしっかりしています。読み応え抜群の、素晴らしい一冊です。


(著者名が「ミス」てなっていますけど、これ、間違いなくキャロライン・メイスですよ〜。訳書が出た95年当時は、YouTubeも、ポッドキャストも、まだこの世に無かったからして、翻訳者の方も発音を確かめようがなかったのでしょうね。)


健康の創造―心と体をよい関係にするために
C.ノーマン シーリー キャロライン・M. ミス
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日本語版で持っておきたい方、絶版となって久しい本ですので、早めに入手されることをオススメします。
医学英語に詳しい方ならともかく、我々一般の素人にとって、病気の名前や臓器の名前は、やはり日本語(漢字表記)がわかりやすいですからね〜。



ちなみに、原著はこちらです。Amazon Kindle StoreやiTunesストアなどでも電子書籍版が好評発売中。(辞書機能が組み込まれている電子書籍って、洋書を読む人にこそオススメしたいですよね。一度使ったらやみつきになります。)

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