前回からの続きです。
「光のシャドウ(影)」(light shadow)について、デビー・フォードさんは次のように説明しています。
「自分が他の人々に投影している
"光の部分"を
捜せばいいのです。
もし、誰かのことを『見習いたい』
『まねしたい』と思うなら、
それは、あなたが自分の中にある性質を
相手の中に見ているからです。
また、誰かに心奪われるほど夢中になったとすれば、
それは、あなた自身の中にある愛すべき部分が
相手の中にも存在しているからです。
自分の中にはない性質に関して、
あなたが他者に反応を示すことは
あり得ません。」
ディーパック・チョプラ デビー・フォード マリアン・ウィリアムソン
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(…中略…)
他の誰かの性質に魅力を感じた場合、
その性質は間違いなくあなたの中にも
存在しています。
それがいかにすばらしい性質であれ、
このことに変わりはありません。」
(「シャドウ・エフェクト」 ディーパック・チョプラ、デビー・フォード、マリアン・ウィリアムソン共著、佐藤志緒 訳、ヴォイス、pp.211-212 ...本記事内、引用文中の強調は、全て黒犬べーやんによります。)
【光のシャドウ】。
これは、私たちが人間として成長する過程において、周囲の反発や抵抗にあったがゆえに、自分からも、世間からも隠し、封印してしまった良き性質なのだ−−−
と、デビーさんは主張します。
文中にも登場する「出る杭は打たれる」ということわざ、日本で教育され、日本流の集団生活に従うことを余儀なくされてきた人にとっては、馴染み深い表現です。
自分が所属する集団から突出し過ぎてはいけない。
集団の平和を乱したくなかったら、あまり目立つなよ、変わるなよ、輝くなよ、さもないとコテンパンに叩くぞ!...って、上の世代が下の世代を脅して洗脳し、自分達の都合のいいようにコントロール。
典型的な日本古来の「村社会」は、このように若い世代の活き活きとした魂を殺し、自分達の世代の劣化コピーをひたすら再生産することによってずっと生き永らえてきたんですね。
そうした共同体が嫌なら、道はひとつ。
出て行くこと。
これしかありません。
(ちなみに英語原文では"It's lonely at the top."「頂点に立つ者は孤独だ」という表現を使っているので、翻訳文中の「出る杭は〜」とはちょっとニュアンス違うと思うんですけど...☆
ま、いずれにしても「上に行き過ぎると痛い目にあうぞ」という意味で、足を引っ張ろうとするネタミ〜&ソネミ〜星人の好きそうな言葉ですよね...。)
両翼で大空を飛ぶ自由を、飛べる喜びをすっかり忘れてしまった籠の鳥のように、生気を失った存在。
【光のシャドウ】と切り離されてしまった現代の私たちは、まぁ、そのような鳥たちにも似た存在、と言えるかもしれません。
「みんなに受け入れられたい。社会の中に自分の居場所を作りたい。」
その一心でもって、周囲に迎合し、言いたいことすら言えずに口をつぐんでしまう。やりたいことも満足にやれない。周囲からの反発を恐れるあまりに。
こうして各人誰もが持って生まれたはずの素晴らしい性質=【光のシャドウ】は、意識の奥底へと追いやられ、忘れられてしまう、とデビーさんは考えます。
【光のシャドウ】と切り離されると、どうなってしまうのでしょう?
キラリッ☆と光る、みんなを元気にするような素晴らしい性質。得意技。
誰にでも備わっているこうした素敵な要素を、自らの手で封印しながら生きているに等しい、ってことなのですよ。
ちょっと、あんまりじゃないですか。
何にも悪いことしていないのに、ただ「目立つと困る」というだけの理由で、長年座敷牢に閉じ込められている無実の囚人級の手ひどい扱いを受けている、ってことですよね?
...このまま一生座敷牢暮らしなのか。
...もう、二度とあたたかい陽の光を浴びることもなく、暗闇の中でずっと閉じ込められたまま過ごすのか...。
ってな感じで、生きる気力を失くしつつある、【光のシャドウ】。
不思議なもんですね。擬人化すると、急に可哀相に思えてきます。
何とか助けだしてあげたい、解放してあげたい、って気分になりません?
でも、人の運命って、時々とびっきり粋なはからいを用意してくれたりします。
何一つ悪いことしていない、それどころか勇気出してみんなの前に出してみれば大勢の人々の力となってくれるかもしれない、私たちの素敵な【光のシャドウ】は、死なせてはなりません。生かしてあげないと。
だから、無駄死にだけはさせないぜ!!!とばかりに、人生の節々で、絶妙なタイミングを見計らって、あなた専属のレスキュー隊員が派遣されてくるんですよ。
(どこから...って?ま、それは皆様のご想像に任せます。)
救助の手を差し伸べてくれるのは、意外や意外、あなたのハートをグワシ!とわしづかみにしてしまう
【とっても素敵な、
憧れのあの人/○○さん】
です。
別に深い付き合いなんか無いのだけれど、その人のことを知ってすぐさま「私、あの人の大ファンなの!!!」と無条件に言わしめる程の魅力を備えた、(あなたにとっては)素敵な、あの方/あの人/あの子、です
ミュージシャン。
スポーツ選手。
クリエイター。
芸能人。
作家。
実業家。
学者。
医者。
など、大概はマスメディアで目にしたり、その作品や仕事のすごさに触れたりして憧れや尊敬の念を抱くようになった有名人/遠い世界の人、という形を取りますね。
(その方が余計なアラが目立たなくて幻滅を遅らせることができますから。)
それでも、
職場の先輩や上司。
所属する運動部の部長。コーチ。
習い事の先生。
年の離れた親戚のお兄さん/お姉さん。
など、身近(...でも、同居家族や日頃の仲良しグループよりは、ちょっと距離を置いた…)な人間関係の中で出会える場合だって、充分あり得ます。
デビー・フォードさんにとって、ご自分の【光のシャドウ】と向き合う最初のきっかけを作ってくれた人物とは、なんと後に本書「シャドウ・エフェクト」の共著者となる、マリアン・ウィリアムソンでした。
お姉さんがたまたま彼女の講演会チケットを買っていてくれたおかげで(ラッキー!)、聴衆の一人としてその夜、初めて生マリアンに接したデビーさん。
マリアン・ウィリアムソンの真摯なメッセージ、そして理知的でありながら華やかで美しい彼女の雰囲気に圧倒され、たちまち大ファンになってしまいました。
(↑これが、前回ちょこっと触れた、故ネルソン・マンデラ南アフリカ大統領の就任演説に引用された部分です。 【光のシャドウ】の考え方、ま・さ・にここから生まれた、って感じしますね〜。
原文はこちらの本をどうぞ。)
マリアン ウイリアムソン
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そういえば、VastStillnessさんの動画、頻繁に使わせていただいていますね。いつもお世話になり、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。
残念ながら、得票数は全候補者中、4位という結果に。
今年6月に行われた予備選を突破し、秋の決選投票へと進むことはできませんでした。
ただ、応援団の顔ぶれは超豪華でしたよ。
「シャドウ・エフェクト」の共著者であるディーパック・チョプラを初めとして、他にもキム・カーダシアン(ハリウッド版叶姉妹的役割のひと、って言えばいいんだろうか...。)、パリス・ヒルトンの元親友・ニコール・リッチー、そして、偽インド人ヨギのお笑いピン芸人・スワミ・ビヨンダナンダ (←この名前最高っ〜!)、
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2014.5.19 Huffington Post (USA版)
「私が下院議員にマリアン・ウィリアムソンを推す5つの理由」
http://www.huffingtonpost.com/steve-bhaerman/marianne-williamson-for-congress_b_5341344.html
私の好きな精神科医であり、霊能力者でもある・Dr.ジュディス・オルロフ。(5月にお会いできた時のことは、過去記事で書きました。)
ジュディス オルロフ
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まともにギャラ払ったら一体いくらかかるんかいな、と下世話な心配したくなる程のセレブな支持者たち、そして200万ドルを超えるとも言われる恵まれた(←州の代表議員選出戦にしては、ですよ)資金力に支えられての選挙戦でしたが、マリアンの国政進出という目標には今一歩、届きませんでした...少なくとも、今回は。)
え”、ニコール・リッチーって、ライオネル・リッチーの養女だったのーーーー!? 知らんかった〜〜〜〜!!!
ライオネル・リッチーと言えば、まぁ、あれですね。80年代、「♪田んぼに行って捨ててこーや...」の空耳(探してみてね☆)でちびっとだけ話題となった、あの曲が一番有名でしょうか。元コモドアーズなんて枕詞、要りませんね。
...すいません。脱線し過ぎました。
講演会が終わり、ひとり家に帰ったデビー・フォードさん。
ステージ上で光り輝いていたマリアン・ウィリアムソンの勇姿に、ひとしきり思いを馳せます。
「これほどマリアンに惹かれるということは、
彼女の中に私自身の光の影(シャドウ)を見つけたからに
違いない。
それはいったいどの部分だったのだろう?」
(「シャドウ・エフェクト」、p.213)
そして、次のような性質に特に魅了されたことを突き止めます。
マリアンは...
1. 率直に真実を話す、勇気ある人である。
2. 世界のことを真剣に考える、無私無欲の人である。
3. ステージ上でもごく自然に振る舞う、嘘偽りのない人である。
それまでのデビーさんは、(ご自身の弁によれば)そのような素晴らしい性質とはまるで縁が無い、と信じて疑いませんでした。
人に嫌われたくなくて本心を偽ったり、自信の無さゆえに言うべきことを引っ込めてしまったり、などといったことばかりしていて、とてもマリアンの域には到達できない、私には無理無理〜、と、考えていたのです。
でも、そこで
「あ〜、マリアンは雲の上の人だからしょうがないや。それに引き換え、私なんて、どーせ...。」
といった、負け犬思考の下降スパイラルに陥らなかった点は、この夜のデビー・フォードさんの大手柄でした。
以前から学び続けていた心理学、特に投影という心的メカニズムについての知識を総動員し、一発逆転の発想へと持ち込んだんですよ。
(参考記事:「私たちが持つ『影』を科学する」 中、「他人への『投影』」の項。
HP ユング心理学の世界へようこそ http://www.j-phyco.com/ より)
【ひょっとしたら、自分もマリアンの素晴らしさを見習って、少しでも憧れの彼女に近付けるかも...?】
長らく地面スレスレレベルで低空飛行していたデビーさんの自尊感情が、すくっと立ち上がり、まっすぐ上を向き始めた。
そんな劇的な瞬間です。
「私はマリアンの中にこれらの力強さを
見つけられた。
ということは、こういう性質が
私の中にも存在する
可能性があるということだ」
ここから、デビーさんの人生は大転換していきます。
ブティック経営者として、フロリダであまりパッとしない毎日を送っていた彼女が、世界的なベストセラーの著者、そして、「シャドウ・ワーク」を専門とする指導者へと変貌する道を歩み始めたんですね。
マリアン・ウィリアムソンという「光り輝く鏡」の中に、デビーさんが見出した彼女自身の美徳。すなわち、
勇気。
正直さ。
無私無欲。
休眠中の状態にあったこれらの良き性質を自分のものとし、状況に応じて上手に使いこなせるようになることで、ひいては世の人々の幸せに貢献する...という、何とも難度の高い課題を与えられたものの、デビーさんはそれらひとつひとつを果敢にクリアしていきました。
その結果、自分でも予想だにしなかった程の大成功と名声とを手に入れます。
「他人に投影している光の部分に気づき、
責任をもってそれらを受け入れた瞬間、このような
可能性(筆者注:憧れのマリアンと一緒に本を書き、
友人として付き合えるようになった、など、いくつもの夢を実現。)
が開かれていきます。
そのためには、投影のトランス状態を続けるのではなく、
自分自身の一部(光の影)をきちんと認めなければ
いけません。
そういう部分は
あなたに早く見つけて
もらいたがっています。」
(同書、p.217)
暗黒のイメージが強い、従来のシャドウ(影)ではなく、「憧れ」「大好き!」という言葉で表現されるような【光のシャドウ】と真剣に向き合うことで、デビーさんは新境地を開拓することができたんですね。
「もし何かに対して
強い願望や憧れを抱いたら、
あなたにも似たような性質がある
ということです。
ただし、あなたがその性質を表現する方法は、
必ずしも他者のそれと同じとは限りません。
あなた独自の方法となるでしょう。」
(同書、p.217)
いくら憧れの存在だからといって、マリアン・ウィリアムソンをそのままコピーするのでは、工夫が無さ過ぎる。
それならば、私は私のやり方で行くしかない。
「デビー・フォード」という唯一無二の存在として、マリアンとはまた違う方向性で、自分が得意な何かをやってみようではないか...。
2013年2月。
がんにより他界するまでの十余年の間、ベストセラー作家として、指導者として、そして種々の薬物依存を克服した一人のサバイバーとして、デビー・フォードさんは持てる力を全て出し尽くし、精一杯走り抜きました。
世界各地で、たくさんの人々の人生を劇的に変え、安らぎへと導く、という偉業を成し遂げた後での旅立ちは、カリフォルニア州の自宅で、愛する家族や友人に囲まれての、とても穏やかなものであったそうです。
享年57歳でした。
享年57歳でした。
(映画版「シャドウ・エフェクト」。英語音声のみですが、画像が持つ力のおかげでかなりわかりやすい内容となっています。)
そうか。
...となると、私は、大好きだった高校時代の恩師(前々回記事参照)の中に、自分自身の【光のシャドウ(影)】を見ていた、ってわけ?
どうやら、そういうことになりそうです。
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